◇広州アジア大会・男子サッカー
第8日はサッカー男子は準々決勝でタイを1−0で下しベスト4入り。MF東慶悟(大分)が決勝ゴールを決めた。
東の右足が暗雲を振り払った。タイに押し込まれる展開が続いた前半終了間際、左サイドをドリブル突破した山崎の折り返しをダイレクトで突き刺した先制弾。「あの時間帯で点を取れたのは大きかった。山さん(山崎)がどんどん抜いてくれたので、後はゴールを決めるだけだった」。2列目から飛び出す持ち味を発揮した東は、充実感を漂わせた。
前戦のインド戦まで、得点を量産する永井らに決定機を演出してきた。攻撃的な中盤ながらもゴールは奪えずにいた。「みんなが決めていたので悔しい思いはあった。前の選手は点を取らなきゃいけないので取りたかった」。待望の今大会初得点は、日本を2大会ぶりの4強進出へ導く千金弾。ゴールに飢えていたチャンスメーカーがヒーローになった。
昨年2月に、大分U−18からトップチームへ昇格し、高卒ルーキーながら公式戦に28試合出場し、リーグ戦の名古屋戦(8月1日)でプロ初ゴールを決めた。J2に降格した今季も27試合で5得点とチームの中心的存在。「ここまできたので優勝して帰らないといけない」。準決勝の相手はイラン。頂点まであと2勝。経営難に苦しむ大分の希望の星が、U−21でも輝く。
◆黄金世代超えた!5試合連続完封
関塚ジャパンの若き青い壁が、新たな歴史を打ち立てた。タイのボール支配率60%だったが、DF陣が気持ちを切らさず完封。1次リーグから5試合連続無失点で、五輪代表世代の新記録。これまでは、田中マルクス闘莉王(当時浦和)を擁していたアテネ世代と、トルシエ監督直伝のフラット3を誇っていたシドニー世代などの4試合が最長だった。
元イングランド主将のブライアン・ロブソン監督が率いたタイの組織的なサイド攻撃を完封。DFの鈴木大輔(新潟)は「前線から全員で守備をしている結果」と胸を張り、鈴木は「今までなかったのはうれしい。ラッキーもあるので自信をつけすぎてもいけないけど」と偉大なDFや黄金世代を超えたことを喜んだ。GKの安藤駿介(川崎)も「優勝すれば評価も変わる。次を勝ってこそなので、ゼロでいきたい」と気合を込めた。 (川村庸介)
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