須賀川市で知人男性を殺害したとして、殺人罪に問われた矢吹町小松、元暴力団員、宮田芳仁被告(49)の裁判員裁判で、福島地裁郡山支部(竹下雄裁判長)は19日、「無防備な被害者を刃物で一方的に攻撃した」として、懲役17年(求刑・同18年)を言い渡した。
竹下裁判長は、弁護側の「男性が刃物で切りかかって来たため、もみ合いになって刺した」との正当防衛の主張について、「被告は負傷しておらず、自己の罪を軽減させようとした可能性が高い」などとして退けた。また「重要な臓器を損傷させ、救命措置も取らなかった」と指摘し、殺意を認めた。
判決などによると、2月1日午後2時ごろ、同市五月雨の県道に停車した乗用車の中で、貸金の返済をしない同市西川、派遣型風俗店経営、松本幸徳さん(当時36歳)の態度などに腹を立て、刃物で胸や腰を3回刺し、殺害した。【蓬田正志】
毎日新聞 2010年11月20日 地方版