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【社会】

渋谷の星物語 再び あす新プラネタリウム開館

2010年11月20日 13時53分

五島プラネタリウムから寄贈された投影機をバックに語る村松修さん(左)=東京都渋谷区桜丘町の区文化総合センター大和田で

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 九年前にプラネタリウムが閉館した東京・渋谷に二十一日、新たなプラネタリウムが復活する。JR渋谷駅南口に開業する「コスモプラネタリウム渋谷」(コスモ)。支えるのはかつて駅東口にあった「五島プラネタリウム」(五島)の元職員らだ。「過去の財産を受け継ぎながら、新たな渋谷らしいプラネタリウムを」と意気込んでいる。 (社会部・増田恵美子)

 開館を間近に控え、慌ただしく駆け回るコスモの職員の中に、解説員の村松修さん(61)がいる。星座の「生解説」が人気だった五島で、名物解説員として活躍した一人。その声を聞くだけで、プラネタリウムを懐かしく思い出すというファンも少なくない。

 「渋谷でまた、星の世界を紹介できる日を迎えられるとは。本当に感謝しています」と村松さんは目を輝かせている。

 五島は国内のプラネタリウムの草分けとして一九五七年、民間によって開設された。約千六百万人を動員し、多くの天文愛好家や専門家をはぐくんだが、観客減や施設の老朽化などで二○○一年に閉館した。

 村松さんが勤務したのは閉館までの二十七年間。初めは投影機の技術者だったが、先輩らから学んで解説も行うようになった。

 閉館後、村松さんをこの街に引き留めたのは、プラネタリウム復活を期す渋谷区だった。区は村松さんに、五島から寄贈された投影機など、四万点に及ぶ資料の展示室の解説員を委託。さらに区営のコスモ新設を決めると、村松さんに開設準備も依頼した。コスモの職員五人中、五島の旧職員は村松さんを含め三人となった。

 プラネタリウム復活を祝うかのようなニュースも飛び込んできた。開館番組として、小惑星探査機「はやぶさ」のドキュメンタリー完結編の全国初投影を決めていたが、「世界初の微粒子持ち帰り」が発表されて以来、問い合わせが殺到しているのだ。

 「コスモにはデジタル動画投影システムも導入され、宇宙のダイナミックな映像を楽しんでもらえる。新しい時代に対応したプラネタリウムを目指したい」と村松さん。天文家としても多くの小惑星を発見しており、その一つに「渋谷」と名付けた。“渋谷の星の物語”は続いていく。

 コスモは、渋谷区文化総合センター大和田(同区桜丘町)十二階。二十一、二十二日はドキュメンタリーの予告編を無料投影。一般投影は二十四日から。観覧料は大人六百円、小中学生三百円。問い合わせは同プラネタリウム=電03(3464)2131=へ。

(東京新聞)

 

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