問責決議「柳田法相の次は仙谷官房長官」なら菅政権は絶体絶命「民・自・公」大連立という選択も

2010年11月20日(土) 歳川 隆雄
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 ここから導かれることは、早期の衆院解散・総選挙を求める声が噴出する可能性である。尖閣ビデオ流出事件で勢いづく自民党は、衆院北海道5区補選に続いて福岡市長選でも大勝したこともあり、公明党を巻き込んで強気の国会戦略を推し進めている。

来年1月、通常国会冒頭のやぶれかぶれ解散も

 15日、一連の尖閣問題について所管大臣として責任を追及された馬淵澄夫国土交通相と仙谷由人官房長官に対する不信任決議案を衆院本会議に提出した。民主党・国民新党の与党は野党社民党の同調も得て圧倒的多数で否決したが、事は深刻である。なぜか。

 これまでにも党内外で「法相不適格」と言われていた柳田稔法相だが、案の定14日に地元・広島で致命的な「国会軽視発言」を行ったことが明るみに出た。週明けの22日にも同相に対する参院への問責決議案が提出され、可決される見込みである。

 柳田氏更迭は不可避だ。問題は、果たして菅政権がこうした野党の"問責攻勢"を凌ぐことができるのかである。さらに今臨時国会会期末には自民党など野党は一致して内閣不信任案を提出する構えだ。

 仮に仙谷官房長への問責決議案も提出・可決となれば、たとえ法的拘束力はなくとも、事態は深刻である。理屈上、野党側は官房長官が出席する参院の各委員会をボイコットせざるを得なくなり、11年度予算編成・審議ができなくなる。

 菅首相は政権の屋台骨である仙谷氏更迭を決断するのか、来年1月召集の通常国会冒頭で衆院解散・総選挙(やぶれかぶれ解散)に踏み切るのか、それとも「民・自・公大連立」(小沢抜きの救国内閣)を目指すのか、選択肢は限られてくる。

 今、菅政権はそこまで追い詰められているのだ。

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