森の中に突然光と音が生まれた。
車が激しく燃えている少女は涙を流しながら張り裂けそうな声を上げて
「お父さん!!お母さん!!」と少女は何度も何度も、届かない声を車内の両親に呼びかけた
原因は動物だった。車道の脇から飛び出したキツネらしき動物を避けようとハンドルのきりすぎ
た結果ガードレールを越えて、15メートルの崖から転がり落ちたのだった。
少女の両親はこの時にはすでに心肺停止状態になって数分の時間がたっていた。
救急車がこの時にいれば彼女の両親は助かったかもしれない。だがここは、15メートル下の崖で森の中なのだから来るだけでも1時間近くはかかる両親の命は、絶望的だった・・
車が爆発した少女は爆風に飛ばされ
近くの木に体を強くぶつけ薄れ行く意識の中で、「お父さん・・お・・・かあ・・さ・・・ん」と呼んだ
少女が目を覚ました時、そこは、森の中ではなく部屋の中だった。部屋は広く周りを襖が囲っていた
少女の体には、手と足、頭に包帯が巻かれていた突然の周りの変化に頭がついていけなかった。
混乱した頭をよぎったのは、車の中にいた両親だった。
「お父さん・・ッ!!」足に強い痛みが走った、少女は足を見ると血が包帯越しに滲んでいた。
その時襖の向こうの廊下から足音が聞こえてきた。
足音がだんだん大きくなり襖越しに男の影が映っていた
少女は、怖くなり部屋の隅で体を丸めて震えていた。涙を流しながら「助けて・・!!」
足音が止み襖が開いた。その男は170cmを越えていた髪は長く後ろで、纏めている年齢は30を超えているように
見えた。少女が脅えている最大の理由は、男の影の時にも映っていた槍だった柄の長さは1メートル以上槍頭は
、
30センチ以上あった。殺される少女はそう思った。
しかし少女を見た男は、「ああ・・そうだ」とつぶやき手に持っていた槍を床に置き少女の方に近寄ってきた。
男は笑顔を見せ「大丈夫怖くないよ。」と手上げて言う。だが少女は、怖いままだ。
だが、いきなり知らない部屋に連れられ槍を持った男が自分の前に現れたのだから「大丈夫」
と言われても信用はできなかった。男も少女の目がまだ怯えているのに気づき少し困った様子で頭を傾げていた
「僕の名前は、和泉冬季(とおき)っていうんだ。君の名前は?」と訊ねてきた。
少女は恐る恐る自分の名前を、告げた「亜子・・和泉亜子」と、名前を聞いた男は冬季は、
「偶然だね。同じ苗字なんて・・よろしく亜子ちゃん」とやさしく笑顔を向けたまま、手を差し伸べた
少女は亜子はゆっくりと、手を上げ差し出された手を握った。
麻帆良学園 桜通り
彼女は部活の帰りだった。時刻は午後6時を過ぎていた「遅くなっちゃったーな」彼女は、走っている
寮に先に戻っている友達はきっと夕飯を作り待っているだろう「急がないと」その時視界に、光る物が、
見えた彼女は足を止めると「?」桜の木の下に、赤いビー玉があった「なんだ、ビー玉か」彼女は、とりあえず
ビー玉を取り「まあ、もっていちゃってもいいかな?」彼女はスカートのポケットに、仕舞い込もうとしたがふと
誰かに呼ばれた気がした。「?」彼女は周りを見たが、誰もいない「気のせい・・?」「って!急がないと!」
そして、彼女は再び走り出した。このビー玉が、彼女の今後を大きく変えるきっかけである。
あの少年が来る三ヶ月ほど前の話である。
???
少女は憂鬱だった。先週大好きだった祖父が亡くなったのだ。あまりに悲しくて、世界がとてもくだらない
と思えてしまう程に、憂鬱になっているのだ。少女は今、祖父の家で、荷物の整理を手伝っている「はあ、
おじいさま・・・」少女は書斎に入ろうとしている。書斎に入り改めてその書籍の多さに驚く今、彼女がいる
学園の貯蔵に比べれば微々たるものだ。まあ、個人の書斎としては十分りっぱだ。この本達もきっと、
誰かの手に渡るのだろう、「?」少女は、本棚の上の背表紙に何も書いていない本を見つけた。「これは、
珍しいですね」少女は本を取ろうと触った時ガシャン!と何かが外れた音がしたそして床がはずれ、
地下への階段が出てきた少女は、恐れ恐れ下へ降りていったそして「これは!」少女は見た。
哲学者だった祖父の夢を・・・
子供先生が赴任する二年半ほど昔の話である
これが三人の少女の非日常の始まりであり、魔法とゆう非常識の存在の出会いである・・