五條楽園ひっそり 経営者ら逮捕、お茶屋など一斉休業
昭和の花街の雰囲気を残す京都市下京区の「五條楽園」で、すべてのお茶屋と置屋が休業し、街の灯が消えたままになっている。先月末、お茶屋の経営者らが売春防止法違反容疑で京都府警に逮捕されて以来、一斉に休んでいる。
五條楽園は戦前からお茶屋街として発展し、1960年ごろには約60軒のお茶屋があったという。現在は、五條楽園歌舞練場を中心に、お茶屋15軒と芸妓を派遣する置屋4軒が点在する。大正-昭和初期の建築とされる木造のお茶屋が並び、夜は玄関に提灯がともる街並みが有名だが、一部では売春が行われているとされていた。
府警は10月28日と11月18日、売春防止法違反容疑で、お茶屋と置屋の統括責任者や経営者ら計5人を逮捕した。府警によると、五條楽園の摘発は「平成に入って初」。最近の週刊誌やインターネットで売春の実態が掲載されたのがきっかけの一つという。
逮捕を受け、お茶屋と置屋は10月28日から一斉に休業した。11月17日には、一帯の入り口に掲げていた「五條楽園」の看板や案内図が撤去された。あるお茶屋は「終戦直後から続けており、今さら別の商売もできない。宣伝もせずひっそりやってきたのに…。再開の予定はない」としている。
【 2010年11月20日 09時21分 】