秋GⅠシリーズもいよいよ後半戦に突入! 今週は京都競馬場を舞台に秋のマイル王決定戦、マイルCS(京都・芝1600m)が行なわれる。
昨年は8歳馬カンパニーが高齢馬とは思えない快走で1番人気に応えたが、2着には14番人気のマイネルファルケが逃げ粘り、馬連は6690円。
過去5年のこのレースでは、1番人気馬が【3・1・0・1】で比較的信頼できるのに対して、2番人気馬は【0・0・2・3】と不振。ガチガチでも大荒れでもない点が難しい。
しかも、今年のマイル路線は大混戦。春の安田記念(GⅠ)では8番人気の伏兵ショウワモダンが勝ち、馬連1万2640円、3連複5万3850円の大波乱。さらに秋になって、その安田記念好走組もそろって凡走するなど主役不在で予想も難しくなりそうなのだ。
そんなわけで、今回も過去のデータを徹底的に分析し、マイルCSで好走する5つの条件を導き出した。理詰めで有力馬を絞り込んでみよう。
◆条件1 GⅠ出走歴
ひとつ目が「GⅠ経験」。
古馬マイラーの頂上決戦だけあって、格下からの無謀な挑戦では通用しない。
過去5年のマイルCS出走馬を見ると、GⅠ出走経験がなかった馬は13頭出走し、結果は【0・1・0・12】。連対できたのは昨年の2着馬マイネルファルケだけ。
今年の主な出走予定馬に当てはめてみると、なんと、マイル戦4連勝でGⅠ獲りに挑戦してきたダノンヨーヨーがひっかかる。名マイラー誕生かと期待されているが、経験の点で早くもマイナスがついてしまった。また、府中牝馬S(GⅢ)快勝のテイエムオーロラもGⅠ初出走はハンデになりそう。
◆条件2 古馬は5勝以上、3歳馬は4勝以上
続いては「勝利数」。
比較的波乱が少ないマイルCSだが、それを裏づけるデータのひとつが連対馬の勝利数だ。その基準は5勝以上(ただし、レース数の少ない3歳馬は4勝以上とする)。
過去5年の連対馬10頭を見ると、すでにGⅠを勝っていたダイワメジャー(2005年2着)を除く9頭が5勝以上を挙げていた。ダイワ以外に条件を満たさない馬は過去5年で26頭出走しているが、【0・0・1・25】という結果。苦戦は避けられない。
武豊騎乗ということで人気を集めそうな3歳牝馬オウケンサクラはまだ3勝。6年前に2着したダンスインザムードが4勝だったのと比べると足りない。また、悲願のマイルGⅠ制覇にかけるスマイルジャックは5歳なのにまだ4勝で一歩後退。一方、高松宮記念(GⅠ)に次ぐ、ふたつ目のGⅠ制覇を狙うキンシャサノキセキは10勝でクリアだ。
◆条件3 1600mから1800mの重賞勝ち、またはマイルGⅠの連対歴
3つめが「距離適性」。
当然のことながら、マイルCSで好走するにはマイル、もしくは1800m前後の距離での実績が求められる。
過去5年の連対馬10頭では、昨年の2着馬マイネルファルケを除く9頭に、1600mから1800mの重賞優勝、またはマイルGⅠ連対歴があった。
今回のメンバーでは、実はキンシャサノキセキがマイルGⅠで3着までの実績しかなくマイナス。また、スワンS(GⅡ)勝ちのマルカフェニックスも重賞勝ちは1400m以下で苦しい。
◆条件4 前走GⅠで7着以内、またはGⅡ以下で1着(GⅠ馬除く)
4つめのポイントが「前走内容」だ。
GⅠを狙うには、やはり臨戦過程は重要だ。過去5年の連対馬10頭のうち、8頭が前走でGⅠ7着以内か、またはGⅡ以下を勝って本番に駒を進めていた(GⅠ馬除く)。
今回の出走予定馬を見ると、アリゼオが天皇賞・秋で14着と負けすぎだ。毎日王冠(GⅡ)で古馬を撃破し、人気を集めそうだが、データ上は信頼を置きづらい。
◆条件5 4、5歳馬
最後のデータが「馬齢」。
春の安田記念で、週プレはショウワモダンに◎を打ち、3連複5万3850円という穴馬券を的中させたのだが、その際、決め手のひとつになったのが「馬齢」だ。
古馬GⅠでは好走する馬の年齢に一定の傾向が見られることが多い。例えば安田記念では6、7歳馬が活躍するのに対し、マイルCSは4、5歳馬の天下となっているのだ。
過去5年の連対馬10頭中では、実に8頭が4、5歳。その一方、3歳馬は17頭出走して【0・0・1・16】。05年には桜花賞馬のラインクラフトが挑戦したが、2番人気で3着に敗れている。そして、6歳以上の馬は29頭出走して【2・0・0・27】。勝った2頭は07年のダイワメジャーと昨年のカンパニーで、いずれもGⅠ含めてすでに重賞7勝、重賞8勝という強豪で例外といっていいだろう。
ここで安田記念に次ぐ“怪走”を狙う6歳のショウワモダンが脱落する。
以上、5つの条件を照らし合わせた結果、オールクリアで残ったのは、なんと、外国馬のサプレザただ1頭!
これまでマイルCSでは外国馬の優勝はまだ一度もないのは気になるところだが、データを信じて◎を打つ! 続くのは、条件4つクリアのショウワモダン、ジョーカプチーノ、ダノンヨーヨー、テイエムオーロラ、マイネルファルケの5頭。
週プレの勝負馬券は本命サプレザから5頭への馬連。さらに、サプレザを1頭軸とした相手5頭への3連複流し(10点)で高配当を狙う。奇跡はもう一度起きるのか!?
取材・文/松井政就(宝くじ地震研究所(R)所長)