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【山のニュース】

[三重]「登山届なし」大半 御在所岳で初の実態調査

2010年11月20日

アンケートや登山届に記入する登山客=菰野町菰野の御在所岳中道登山口で

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 菰野町の御在所岳(一、二一二メートル)の登山口数カ所で町観光協会や四日市西署などが初めて本格的に実施した登山者の実態調査の結果がまとまった。十、十一月の休日二日間で千三百人がアンケートに回答。大半が登山届を出していないなど、安易な入山者が目立った。 (神谷円香)

 登山届などでルートが分からなければ、遭難者の捜索は困難だが、七割は「登山に行く」と口頭で家族などに伝えるのみ。事前に届を用意してきたのは五グループだった。

 地図やコンパスを持っていた人も半分に満たない。どの登山道を通るか決めずに、「帰りは疲れたらロープウエーで」と話す人もいて、計画性のなさが目立った。

 回答者は、愛知県など県外からが三分の二。八割が自家用車で来たが駐車場が少なく、登山口前は路上駐車の長い列ができた。

 御在所岳を含む管内の今年の山岳遭難事故件数が、昨年の三倍を超えた同署は「ハイキング気分では来ないで」と呼びかけ続けている。最近では「道に迷ったから迎えに来て」という通報もある。

 状況がはっきりしなければ、万一に備え救助隊を招集せざるを得ない。県山岳連盟に救助要請をした場合には、実費程度を遭難者に負担してもらっているが、活動自体はボランティアに近い。

 搬送に使う防災ヘリの運航費用も現在は税金負担だ。埼玉県議会では遭難者に請求可能とする条例案提出の動きもあり、可決されれば全国で初めて。

 

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