- 「体脂肪」とは、何ですか?
- 「体脂肪率」とは、何ですか?
- 体脂肪には、どんな作用がありますか?
- 体脂肪が多いと、どうなりますか?
- 1日のなかで体脂肪率の測定値が異なるのは、なぜ?
- 無理がなく健康的に体脂肪を減らすには、どうすればいい?
- 体脂肪率の適正範囲は、どのくらい?
- 男性と女性では体脂肪率の適正範囲が違うのはなぜ?
- 体脂肪は少ないほど体にいい?
- 体重が減ると体脂肪率が増え、体重が増えると体脂肪率が減るのはどうして?
- 体脂肪計で測定する際に流れる電流は、身体に影響はないの?
- 両足間測定で全身脂肪がわかりますか?
- 体脂肪率は何歳からはかれるの?
- 大人・子供、男性・女性などの設定を間違えたり、わざと変えて測定しても体脂肪率は表示されますが、それはなぜ? その数字は信頼できるの?
- なぜ体脂肪率を肥満の判定の基準とするの? 体脂肪率の基準は、どうして決められたの?
- 体脂肪率の標準とされる数値がメーカーによって違うのはなぜ?
- より正確な値がわかる測定最適時間は、いつ?
- 妊娠中も体脂肪率は測定できますか?
- 「アスリートモード」とは、何ですか?
- 「体脂肪」とは、何ですか?
- 体内に蓄積された脂(あぶら)分のことを体脂肪といいます。
脂分には皮下脂肪や内臓脂肪だけでなく、血液の中に含まれる脂肪分や、細胞膜を構成する脂質すべてが含まれます。
- 「体脂肪率」とは、何ですか?
- 「体脂肪率」とは、体のなかの脂肪の占める割合を言い、「体脂肪率(%) = 体脂肪量(kg) ÷ 体重(kg) × 100」で表されます。体脂肪が過剰に蓄積された状態が肥満とされています。これまでは、太っているかどうかは体重の多い少ないで見てきました。しかし、肥満かどうかは体脂肪率で決まります。
では、なぜ、これまでは標準体重などで肥満を判断していたのでしょうか? その理由のひとつは、体脂肪を簡単に測定できないということがありました。最近では、家庭でも簡単に体脂肪が測定できるようになりましたので、太っているかどうかを体脂肪率から判断できます。
- 体脂肪には、どんな作用がありますか?
- 体脂肪には、下記のような役割があります。
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- 飢餓に備えたエネルギー源
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- 余剰エネルギーの蓄え
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- 衝撃から身体を守る
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- 体温の保持
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- ホルモンバランスの調節
- 体脂肪が多いと、どうなりますか?
- 体脂肪の過剰な蓄積は「肥満」とされ、生活習慣病などを誘発させる可能性があります。特に内臓脂肪は、生活習慣病と密接な関係があるという研究結果が出されています。
- 1日のなかで体脂肪率の測定値が異なるのは、なぜ?
- 人間の体の水分量や水分の分布状況の変化により測定値が変動することを「日内変動」と呼んでいます。
実際の体脂肪量は、朝と夜で変動はしません。しかし、通常、生体インピーダンスは就寝中に上昇し、活動中は低下する性質があります。日内変動はこのサイクルに摂取、摂水や運動、入浴による体内水分量の変動などが複合されて起こります。
測定された値の変動は、この生体インピーダンス自体のサイクルと、その人の生活のリズム、職業、生活活動などの違いによって生じるその人固有の変動サイクルを持っていると推測されます。下図は、体脂肪率の日内変動の一例です。
BIA法による体脂肪率(%)の日内変化
- 無理がなく健康的に体脂肪を減らすには、どういい?
- バランスのよい食事と量、それに適度な運動。これが基本です。
急激な減量は身体に負担が大きいだけでなく、さまざまな弊害を誘発する可能性を否定できません。減量は「ゆっくり、じっくり」がコツ。大切なのは、体重を一時的に減らすことではなく、長期的に見て、体脂肪が減少した状態を維持することです。
- 体脂肪率の適正範囲は、どのくらい?
- 右の表をご覧ください。
- 男性と女性では体脂肪率の適正範囲が違うのはなぜ?
- 男性と女性では、体につく体脂肪の種類や場所が異なるからです。
女性は、妊娠と出産という大切な役割を持っているため、男性よりも多くの体脂肪を蓄えているのです。これは、お腹の赤ちゃんを守り、大切な臓器を保護するため、骨盤のまわりの皮下脂肪をクッションのように厚くしているためです。
逆に男性は、皮下脂肪はつきにくく、内臓脂肪がつきやすい傾向にあります。
- 体脂肪は少ないほど体にいい?
- いいえ、適正範囲での維持が大切です。もともと人間は、飢餓状態になっても生き延びられるよう、非常時のエネルギーを体脂肪として蓄える機能を身に付けています。と同時に、人間の生命活動は、各種のホルモンなどの働きによって円滑に行われるようになっています。体脂肪はエネルギーの備蓄機能ばかりでなく、このようなホルモンの働きなどを助成するような重要な役割も担っています。このため、無謀な減量で体重や体脂肪が減りすぎると、疾病やホルモンバランスの異常などを誘発することになります。体重や体脂肪の調整は、体脂肪の役割をきちんと理解してから行いましょう。
- 体重が減ると体脂肪率が増え、体重が増えると体脂肪率が減るのはどうして?
- 体脂肪は、短期間で大きく変動するものではありません。体重は飲食や排尿などによって一時的に増加、あるいは減少します。体脂肪率は「体脂肪量(kg) ÷ 体重(kg) × 100」で表されますから、分子の「体脂肪量」に変化がなく、分母の「体重」の変化量が大きい場合、体重が増加すれば体脂肪率は低くなり、体重が減少すれば体脂肪率は高くなります。
- 体脂肪計で測定する際に流れる電流は、体に影響はないの?
- 影響ありません。測定に使用している電流は非常に微弱で、刺激を受けることも、影響を与えることもありません。妊娠中の胎児にも影響はありませんので、安心してご使用ください(ただし、妊娠中は体の水分量が変動しやすいため、体脂肪率は参考値として捉えててください)。
なお、ペースメーカーなど、体内に機器を装着されている方のご使用は、絶対におやめください。
- 両足間測定で全身脂肪がわかりますか?
- 全身脂肪はわかります。日本国内で販売されている家庭用体組成計・体脂肪計の測定原理は、身体に電極を接触させ、微弱な電流を通すことで電気抵抗値を測定しています。測定する箇所は異なっても、全身の体脂肪を推定しています。ただし、これを推定する「回帰式」は、電極と接触する場所によって異なり、それぞれに適した回帰式を用いています。指間、両手間、両足間、片手両足間、両手両足間など、電極と接触する場所が異なる場合も、それぞれで得られた電気抵抗値を測定方法に適した回帰式によって全身の体脂肪率や体脂肪量などに換算して表示しますので、どの部位で測定しても全身脂肪を表すことができます。
- 体脂肪率は何歳からはかれるの?
- タニタの体組成計の対象年齢は「6歳〜99歳」となっています。また、6歳から体脂肪率の判定が可能です(機種によって異なる場合もあります)。
- 大人・子供、男性・女性などの設定を間違えたり、わざと変えて測定しても体脂肪率は表示されますが、それはなぜ? その数字は信頼できるの?
- 体脂肪計は、計算可能な限り、設定された条件で体脂肪率を計算し表示します。ですが、その計算結果は測定条件に合っていない計算結果ですから、信頼できる値ではありません。説明書に書かれている内容に従って条件を設定していただき、測定ください。
- なぜ体脂肪率を肥満の判定の基準とするの? 体脂肪率の基準は、どうして決められたの?
- 体脂肪が体内に過剰に蓄積された状態が健康にとってよくないことは、すでに広く知られています。これまでは、ただ単に太っていることが、健康上よくないとされてきましたが、単に体重の増加ではなく、体内に過剰に脂肪が蓄積していることが問題だとわかってきたからです。
肥満の判定基準は、体脂肪率と病気の関係を統計的に分析した結果として導き出されたものです。
- 体脂肪率の標準とされる数値がメーカーによって違うのはなぜ?
- タニタが採用している基準値は、体脂肪率と病気の関係を統計的に分析した結果として、導き出したもので、WHO(World Health Organization:世界保健機関)と日本肥満学会の肥満判定に基づいて作成したものです。他メーカーの基準値に関しましては、それぞれの考えにより採用された数値ですので、私どもが意見を述べる立場にはありませんのでご容赦ください。
- より正確な値がわかる測定最適時間は、いつ?
- 生活パターンの違いにより体重や生体インピーダンスが変動するため、測定値には個人ごとに異なる変動があります。常に同機種による同様の条件のときに測定し、細かい変化にとらわれず、長期的な変化傾向をみることをお勧めします。
より正確な測定のために、以下の点にご注意ください。
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- 測定は食事前、かつ入浴前をお勧めします
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- 食事後、あるいは入浴後、2時間以上経過してから測定してください
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- できるだけ同じ時間帯で、同じ状態で測定するようにしてください
以下のような場合は、測定値に誤差を生じる恐れがあります。正確な測定ができない場合もありますので、ご注意ください。
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- 過度の飲食後
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- 二日酔いのとき
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- 激しい運動後
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- 多量発汗など極度の脱水症状のとき
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- 発熱や下痢など体調が悪いとき
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- 着衣重量が多い場合(風袋引き機能のない機種において)
- 妊娠中も体脂肪率は測定できますか?
- 測定できますが、妊娠中は体の水分の変動が激しいことや体重変化が大きいことなどから、参考値とされることをお勧めします。
タニタの体組成計(体脂肪計)は、妊婦さんの健康管理のため、さまざまな病院で臨床試験に使われており、その安全性は確認されていますので、安心してご使用ください(体重・体脂肪の管理に関しては、医師の指導に従ってください)。
- 「アスリートモード」とは、何ですか?
- タニタでは、下記のような方を「アスリート」としています。
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- 1週間に12時間以上のトレーニングを行っている方
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- 体育会やスポーツ実業団に所属し、競技会等を目指してる方
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- プロスポーツ選手
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- ボディビルダーのように筋肉量が多くなるようなトレーニングを行っている方
アスリートの方は、日々のトレーニングにより、一般成人に比べて筋肉量も多く、骨格も太いという傾向がみられます。また、筋肉に含まれる水分量もトレーニングによって一般成人とは異なっていると考えられています。よって、測定を行う場合は、一般成人とアスリートでは身体組成の違いから測定されるインピーダンス(電気抵抗)が異るため、同じ計算式を適用できなくなり、別の計算式によって測定結果を導き出すことになります。アスリートの方には、アスリートモードでの測定をお勧めしています。