ノーベル平和賞:中国VS西側諸国、対立が深刻化(下)

中国の圧力にロシアなど6カ国が授賞式欠席、米英仏独は非難

メダル・賞金・授賞式は無期限延期?

 来月の授賞式に、劉暁波氏はもちろん、親族らの出席さえも不可能な場合、授賞式は開催されても授賞自体が成立しないという前代未聞の事態が起きると見られる。メダル・賞状・賞金1000万クローネ(約1億4000万円)は、原則的に受賞者本人や親族などの代理人が受け取らなければならないからだ。

 中国は、服役中の劉暁波氏の出席を許可しない上、妻の劉霞さんも受賞発表以降、自宅に軟禁されている。AP通信は「劉氏の親族など、代理人として授賞式に出席する可能性があるすべての人に対し、公安(警察)は密着・監視している」と報じた。ノーベル賞委員会は「授賞式では、ほかの付帯行事は予定通り行われるが、授賞そのものは無期限延期される見通しだ」と話している。

 1901年に始まったノーベル平和賞は、109年間で97人の個人と20の団体に対し賞を授与してきたが、授賞自体が省略された例はない。ナチスに反対したドイツのジャーナリスト、カール・フォン・オシエツキー氏の授賞が1935年に決定したケースでは、36年の授賞式でナチスの妨害によりメダル・賞状の授与が省略されたものの、賞金は同氏の弁護人が代理人として受け取った。

 これまでノーベル平和賞を受賞したソ連のアンドレイ・サハロフ氏(75年)、ポーランドのレフ・ワレサ氏(83年)、ミャンマーのアウンサン・スーチー氏(91年)も授賞式には出席できなかったが、該当国の政府は夫人や息子が代理人として出席することまでは阻止しなかった。ニューヨーク・タイムズはこれについて、「中国政府は旧ソ連やミャンマーよりも『度量が小さい(less magnanimous)』。中国は旧ソ連や共産体制下のポーランドよりもはるかに国際的な責任を負っている国であるにもかかわらず、経済力を背景に権威主義的な行動を取っている」と指摘した。

イム・ミンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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