韓国でインスタントラーメンの消費量減(上)

岐路に立つ業界

健康食品に流れる消費者、農心は7-9月期の売り上げ8.8%減

 10日午後、ソウル市内のある大型スーパーを訪れた。売り場にあるインスタントラーメンの陳列台には「5+1イベント」(ラーメン五つを購入すると一つ無料)を知らせる案内板が掲げられていたが、ほとんどの買い物客はちらっと目を向けるだけで、そのまま通り過ぎて行った。売り場の関係者は、「人気の商品を中心にラーメンの販売促進イベントを昨年の2倍近く実施しているが、売り上げはむしろ3-4%減少した」と話す。

 韓国で1年間に消費されるインスタントラーメンは、約34億8000万個(2009年基準)。これは、国民一人当たり1年間に平均で71個のラーメンを消費している計算だ。「誰もが手軽に食べられる」と言われてきたラーメンの消費量が最近、減っている。これまで年間1兆9000億ウォン(約1380億円)規模を誇っていた国内のラーメン市場が、今年に入って10%以上も売り上げを落とした。

ラーメン生産業者、連日の株安

 最近見られるインスタントラーメンの消費量の減少は、関連企業の実績悪化に直結している。業界トップの農心ラーメンの販売量は、今年の4-6月期に前年比3.2%減となったのに続き、7-9月期には8.8%減と下げ幅が拡大した。その結果、農心の7-9月期全体の売上高(4572億ウォン=約332億円)と営業利益(145億ウォン=約10億5000万円)は、前年同期比でそれぞれ2.1%減、41.6%減となった。来週発表される三養食品の実績も低調との見方が支配的だ。

 ラーメンの販売不振などの影響で、農心の株価は最近4取引日連続で下落したのに続き、10日には年初来最安値(19万9000ウォン=約1万4000円)を付けた。また、今月2日に1万7700ウォン(約1300円)だった三養食品株も1万6750ウォン(約1200円、10日の終値基準)と、5%以上下落した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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