覚せい剤を隠した封筒に誤って手紙を入れ、刑務所に郵送したことを端緒に、京都市の女が覚せい剤取締法違反(所持)の罪で今月、和歌山地裁(国分進裁判官)で懲役2年4月の実刑判決を受けていたことが分かった。
判決によると、女は京都市の無職、多田マリ子被告(60)。多田被告は同法違反罪で収監された和歌山刑務所を、昨年10月下旬に出所。身を寄せた京都市の知人の女=同法違反罪で実刑確定=の自宅で、数日後に一緒に覚せい剤を使った。知人は覚せい剤をテーブル下のかごに入れていたが、多田被告は「そんな所に置いたらあかん」と、封筒に入れて引き出しに隠し直した。
同月末、多田被告は受刑者仲間に手紙を書き、誤って覚せい剤入りの封筒に入れ、知人が投函(とうかん)。和歌山刑務所の刑務官が、受刑者に届いた手紙を検閲のために開封して、結晶状の薬物を見つけた。
公判で多田被告は自分で所持していないなどとして否認し、弁護側は無罪を主張。しかし国分裁判官は、封筒に隠してから投函するまで、知人と共謀して所持したと認定した。【川平愛】
毎日新聞 2010年11月20日 2時30分(最終更新 11月20日 9時10分)