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【滋賀】娘失った無念さ語る 米原殺人事件公判2010年11月19日 18日に行われた米原女性殺人事件の裁判員裁判の第9回公判。殺害された小川典子さん=当時(28)=の妹と母親が証人尋問に立ち、典子さんを失った無念さを語った。否認を続ける森田繁成被告(41)について「被告はうそをついている。許せない。極刑を望む以外ない」と訴えた。事件後、亡くなった小川さんの父親の供述調書や家族写真も披露され、涙を流す裁判員や傍聴人もいた。 ●被害者への思い 「何度も『助けて』と叫んだだろう。どんなに痛かったろう、怖かったろう。かわいそうでしかたがなかった」 公判の冒頭、検察官が昨年8月に作成された小川さんの父親の供述調書を読み上げる。家族と一緒に写る小川さんの写真が法廷のモニター画面に映し出されると、遺族がすすり泣く声がついたて越しに傍聴席にも聞こえ、女性裁判員もハンカチで涙をふいた。 小川さんと3歳違いの妹が最初に証言。「私のこと、父母のことをいつも気にかけてくれた」と涙で詰まりながら姉との思い出を口にした。「姉が『自分が働いた貯金で妹の結婚資金を出してほしい』と母に言っていたことを後で聞いた」と声を震わせた。 ●自責の念 小川さんが妻子ある職場の上司と交際していることを知っていた妹。小川さんから電話で相談され、「悩んでいると言いたかったと思う。唯一、家族で言えたのは私だけ。何もできず、こんなことになり、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と声を振り絞った。 小川さんが行方不明になった昨年6月10日の朝、会社まで車で送っていた母親も「私が(帰りに)早く典子を迎えに行っていればとか、あの子を救ってやれなかったと自責の念にかられる」と悔しさをにじませた。 ●「被告の話はうそ」 公判で行われたすべての被告人質問を傍聴した二人。冗舌に語った被告への疑問を投げかけた。 母親は、被告が2008年末に小川さんが父親とけんかをしたと話した点について、「(けんか相手が)父親と出た時点でうそだと思いました」と指摘。穏やかに話を聞く父親が典子さんとけんかするはずないと話し、「なんで犯人が描くストーリーに翻弄(ほんろう)されなければならないのか」と憤った。妹も「被告は言っていることがおかしい。姉は自分で主張するので、職場で数人に囲まれていじめられるわけがない。腹が立って聞いていられませんでした」と怒りをぶつけた。 「被告の処罰に対する気持ちは」。そう検察官に問われた母親は「犯人には極刑を望む以外はない。自白も反省もなくうそばかりついている。一生かけて罪を償ってほしいと思います」と胸の内を明かした。妹も「父と母がどれだけ苦しんだか分かってほしい。(被告は)許せません」と話した。 ●無表情の被告 証人尋問の最後。裁判長が「被害者との最後の会話は何か覚えていますか」と問いかける。 母親は、長い沈黙の後「『行ってらっしゃい、気をつけて』でございます」と声を詰まらせた。 森田被告は二人への証言を聞く間、微動だにせず伏し目がち。表情が変わることはなかった。 PR情報
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