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<裁判員 法廷から> タンク殺人  「どうしてあんな目に」

被害者母、涙声で証言

 米原市の汚泥タンクで昨年6月、長浜市今川町の会社員小川典子さん(当時28歳)が殺害された事件の裁判員裁判の第9回公判で18日、証言台に立った小川さんの母親と妹は声を震わせ、悔しさと憤りを切々と訴えた。

 冒頭、昨年9月に亡くなった小川さんの父親の供述調書が採り上げられた。

 遺体と対面した時の思いが「顔のひどい傷を見て、『助けて』と何度も叫んだのがわかった。殺されたことが信じられなかった」とつづられ、森田被告に「二度と世の中に戻ってきてほしくない」と求めていた。

 続いて、これまで被害者参加制度に基づき、法廷内で公判を見守り続けてきた小川さんの母親と妹が相次ぎ、証言した。

 妹は、森田被告が公判で「小川さんが暴れることがあった」と証言したことに触れ、「自分のいいように言って腹が立った。姉が聞いていたら悔しいと思っただろう」と声を震わせた。

 母親は「『気を付けて行ってらっしゃい』と言って(送り出して)から、『お母さん、ただいま』と聞いていない。どうして、(娘が)あんな目に遭わされないといけないのか……」と涙声で訴えた。

 この日で、証拠調べはすべて終わり、次回は22日、検察側の論告・求刑、弁護側の最終弁論が行われる。

2010年11月19日  読売新聞)
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