吉川市の民家で男女3人が刃物で刺されて死傷した事件で、殺人などの罪に問われた無職、清水精二被告(66)の裁判員裁判が18日、さいたま地裁(井口修裁判長)であり、検察側は無期懲役を求刑した。判決は22日。
検察側は論告で「犯行は凶暴で残虐。2人の命を奪い、死刑選択も十分考えられる」とした上で、「計画的でなく、判断能力も低かった」と無期懲役を求めた。弁護側は、被告はアルコール依存症により正常な精神状態ではなかったとして無罪を主張。清水被告は「(起訴内容は)全部うそ。作り上げたこと」と述べた。
起訴状などによると、清水被告は09年5月、吉川市内の自宅で、同居していた無職の松本喜美代さん(当時67歳)を包丁で刺して殺害し、同じく同居の無職、国本斌さん(当時65歳)の首などを刺し階段から転落させて死亡させ、同じ敷地内の母屋に住む別の男性を刺してけがをさせたとしている。【平川昌範】
毎日新聞 2010年11月19日 地方版