【福岡】旅館主殺人、「心身喪失」で医師男を不起訴

11/19 20:01 更新

5月、大牟田市の旅館で経営者の女性が殺害された事件がありました。逮捕された医師の男について、福岡地検は19日、責任能力が問えないとして、不起訴を決めました。この事件は、大牟田市の旅館経営者、江崎京子さん(当時79歳)が、旅館の1室で首を絞められて殺害されたものです。県警は、現場に残った指紋などから、別の窃盗事件で逮捕されていた、非常勤医師の27歳の男を7月、殺人の疑いで逮捕しました。しかし、男との会話がかみ合わないなど不可解な点があったため、福岡地検は3カ月半に渡って鑑定留置を実施。男の責任能力を調べてきました。その結果、男は犯行当時、「心神喪失」状態だったと判断され、裁判で責任能力が問えないとして、不起訴処分を決めたということです。福岡地検の申し立てを受け、福岡地裁は19日、男の鑑定入院命令を出しました。一方、江崎さんの夫には19日午後、捜査員が直接、「不起訴」を報告したということです。江崎さんの夫は(84)「私も相手(男)を見たが、(責任能力はある)意識を持っていた。(不起訴になって)当然くやしい。(妻は)永遠に帰って来ないからね。どうして、なんのために、そういう風な取り返しのつかない非人道的なことをしたのか、聞きたい」と話していました。