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札幌地裁:裁判員が会見で評議内容漏らす

 札幌地裁で12日判決が言い渡された強制わいせつ致傷事件の裁判員裁判で、裁判員を務めた男性会社員(43)が判決後の会見で評議や量刑への不満を述べ、同席していた補充裁判員の男性会社員(40)が「守秘義務違反だ」と抗議して途中退席する場面があった。

 帰宅途中の女性を襲ったとして強制わいせつ致傷罪などに問われた札幌市西区の無職、葛西祥平被告(34)の裁判は、9日から4日間の日程で審理され、懲役5年の求刑に対し辻川靖夫裁判長が懲役4年を言い渡した。

 その後の司法クラブ主催の会見に実名で応じた裁判員の男性は「評議の大多数の意見を重要視するということで判決を出した。腹の中を言うと甘い」と、判決が全員一致ではなかったことを示唆。さらに「服役期間は、極論だが無期懲役」と量刑への意見を述べた。

 これを聞いた補充裁判員の男性は「守秘義務違反になる。審議した意味がない」と激高して退席した。この男性は会見で「補充でなくて裁判員になってみたかった」とも話していた。

 裁判員法は、評議での個々の意見や、評決が全員一致か多数決だったかなどを公表した場合、懲役6月以下または50万円以下の罰金を科すとしている。札幌地裁は会見後、評議の秘密と考えられる発言があったとして、司法記者クラブに慎重な報道を求めた。地裁総務課は「本来は(会見中に)補充裁判員の代わりに注意すべきだったかもしれないが、前もって注意するのは事前規制となるため、対応が難しい」と話している。【片平知宏】

毎日新聞 2010年11月12日 19時17分(最終更新 11月12日 20時16分)

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