●貸付利率は年利3%
●返済方法は、元利均等月賦償還。初回貸付日から5年以内に返済する
以上が融資の概要だ。そして融資利用者には、「返済が免除される条件」も用意されている。基金訓練の終了後6ヵ月以内に就職先が決まった場合、半額は返済しなくても良いのだ。
ここまで見ると、求職者の能力開発を金銭的にも援助する制度で、社会的弱者を援助するセーフティネットとしては何ら問題はないようだ。しかしA氏は、審査の杜撰さに首をひねるのだ。
「サラ金だと年利は15%以上ですから、非常に低利だと感じました。実は、私は多重債務者なんです。何社ものサラ金からおカネを借りて返済が滞(とどこお)っている。個人信用情報のブラックリストにも載っていて、今はどこもおカネを貸してくれません。ところが、ハローワークでは審査に通った。いや、びっくりです」
通常、消費者金融や銀行が融資する際、申請者が過去に、自己破産などの債務整理をしたり、延滞事故を起こしていないかを確認する。この個人信用情報が一般に「ブラックリスト」と呼ばれているのだが、複数社への返済が遅延しているA氏が、審査を通ったというのだ。
本誌は、もう一人、審査に通った多重債務者B氏(44・愛知県在住)も取材した。独身のB氏は、自動車部品工場で派遣労働者として働いていたが、派遣切りで職を失い、今年の夏に基金訓練で不動産関係の学校に通った。A氏にこの融資制度を勧めたのがB氏だった。
同制度の申請の流れはこうだ。(1)ハローワークで申請書を受け取る。(2)申請書に氏名、生年月日などを記入し、運転免許証などの本人確認書を添える。(3)記入済みの申請書を最寄りの労働金庫の店舗窓口に提出する。(4)日本労信協で審査。(5)審査結果が出て、口座に振り込まれる。
はたして、「訓練・生活支援資金融資制度」の審査は、厳正に行われているのだろうか。本誌はまず、労働金庫に問い合わせた。すると、「その件については管轄する厚労省の担当局に聞いてほしい」と、機械的に答えるばかり。そこで、厚労省職業能力開発局の能力開発課に問い合わせた。以下、一問一答である。
---利用者は現在、どれくらいいるのか。
- 田丸美寿々の「降板」で『報道特集』に不協和音 (2010.11.17)
- ハローワークで申し込める「杜撰なカネ貸し制度」 (2010.11.14)
- 警視庁公安部「極秘資料大量流出」裏でほくそ笑むのは誰だ (2010.11.11)
- デイトレーダーの食い物に「東証」新システム踏んだりけったり (2010.11.08)
- 焼き肉戦争勃発!"牛角"を猛追する新興勢力 (2010.11.07)
- 告発! ハローワークでボロ儲け!資格取得支援制度の呆れた実態 (2010.10.29)
- 気をつけろ!もうカネは借りられない (2010.01.27)
- 死屍累々、先細るノンバンク (2009.06.19) - jbpress.ismedia.jp
- 6月「貸金業法の完全施行」に高まる懸念 (2010.03.09)
- 消滅に向かう消費者金融の救世主になるか? 橋下大阪府知事の「貸金業特区構想」 (2010.07.08)
-
World Biz News職場のオートメーション化で中間層向けの仕事がなくなる (2010.11.19)
-
福田和也「旅と書物と取材ノート」松下幸之助 vol.1 (2010.11.19)
-
-
永田町ディープスロート「謎の転落」三宅雪子に「痴情から男に暴行」疑惑 (2010.11.19)
-