(2010年10月28日放送)
上野というと、今も、動物園に美術館、博物館に公園と、休みの日に出かけるにはぴったりの街。一大行楽地だったのは、江戸時代から変わらなかったようです。
京都を模したテーマパークをつくったり、芸妓さんを連れてお花見に出かけたり・・・この「上野」や、「浅草」の回では、江戸時代の人たちが“遊び”をとても大切にしていたということにびっくりしました。今と比べると、電気もガスもなく生活も不便だし、食事も質素だったでしょうし、移動するにも歩きが基本だし・・・でも、遊びのスケールで言ったら、現代の方がずっとこぢんまりしているような気がします。タモリさんが以前おっしゃっていて印象深かった中に、江戸時代の商家の娘さんが書いた日記の話があります。「お芝居を見に行く日は、一家総出で船を仕立てて、酒盛りをしながら芝居小屋に向かった」とあって、それはそれは楽しかったと書いてあるそうです。大名屋敷のお庭の造り方にしても、町人の遊びにしても、思いきった贅沢が、“粋”というか、後の文化につながるのかなぁと思いました。それにしても、すごい世界です。
次回は、アンコール放送の「二子玉川」です。二子玉川というと、築地、新宿、上野に比べて、特別なイメージが浮かばない方も多いかと思います。私も東京に住むまでは、全くと言っていいほど知りませんでした。(今では、憧れの街の一つですが・・・)ただ、これといったランドマークがないからこそ、自分の住んでいる町に置き換えて見ていただく面白さがあります。川べりの風景、廃線になった電車、高度成長期を経て街がどう変わったのか・・・私は、かつて両親が高校通学で乗っていたという路面電車を想像しました。木曜夜10時。まだ週末じゃないけれど、ほっと一息、「ブラタモリ」でお楽しみいただけたらうれしいです。