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2010年11月19日

豊臣秀吉はいま、あまり人気がないのですか?

秀吉は好きですか?

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好きな歴史上の人物は誰ですか?

自分たちが小学生の頃などは、日本の歴史上の人物というと、まず挙がるのは「織田信長・豊臣秀吉・徳川家康」の三大武将だった気がする。

ところが、11月初旬に日刊スポーツで掲載された「日本史なんでもランキング」の第2回~「好きな戦国武将」の結果を見て、驚いた。

1位は織田信長で、2位 真田幸村、3位 伊達政宗、4位 上杉謙信、5位 武田信玄で、秀吉も家康も5位以内に入っていない!!

さらに、調べてみると、興味深い調査結果があった。
「NHK放送文化研究所世論調査部『日本人の好きなもの』2008年」(2007年調査)では、若年層(16~29歳)から中年層(30~59歳)まで男女ともに織田信長と坂本龍馬の人気が絶大で、徳川家康もベスト3にはランクイン。ところが、豊臣秀吉は、高年層(60歳以上)の男性で3位にランクインしているのみである。

また、2007年放送のNHK『その時歴史が動いた』~、「もう一度聞きたい あの人の言葉」ランキングでは、1位が高杉晋作:「おもしろきこともなき世をおもしろく……」、2位が諸葛亮孔明:「学問は静から 才能は学から生まれる学ぶことで才能は開花する 志がなければ学問の完成はない」、3位に山本五十六、4位が坂本龍馬、5位が大和の海軍士官、6位が織田信長だったが、やっぱり秀吉も家康も入っていない!
おまけに、ある都内の大型書店の歴史関係のコーナーをのぞいてみると、「織田信長」は単独のコーナーで分類されているのに、家康は徳川家というくくり、さらに秀吉にいたっては、その他の武将のところに一緒にまとめられているではないか。

自分たちが小学生の頃などは、信長、秀吉、家康は「3人セット」のように並び称される存在であって、鳴かないホトトギスをどうするかで天下人たちの性格を後世の人たちが言い表した川柳「鳴かぬなら 殺してしまえホトトギス」(信長)、「鳴かぬなら 鳴かせてみようホトトギス」(秀吉)、「鳴かぬなら 鳴くまで待とうホトトギス」(家康)に関して、友人たちと浅はかな「三人の中で誰が好きかトーク」で盛り上がった記憶もある。

当時は、大半の子が「やっぱり秀吉! 天下統一したし、『鳴かせてみよう』という自信がいい」などと言っていて、少数派として「豊臣政権は短かったから、家康が良い」という子、自分を含めごくごく少数派の「信長が断然カッコいい!」という子がいた程度だった。
また、「信長は怖くて、秀吉は面白く、家康は面白みがない」みたいなイメージもあった。
なのに、豊臣秀吉はいま、人気がないの?

ある歴史関係の記者は言う。
「近年の人気の武将・歴史上の人物などは、どうしてもNHK大河ドラマの影響が大きいですよね。また、ゲームの影響や“歴女”と言われる女性たちの好みのイケメン武将のような顔触れが上位を多く占めている印象があります」
ただし、織田信長の人気はそれ以前にさかのぼるのでは? と言う。
「1989年のベストセラー作品となった津本陽の歴史小説『下天は夢か』をきっかけに、織田信長の人気が非常に上がった気がします。強いカリスマ性なども、今の不況の世の中で求められているのかもしれません。一方、豊臣秀吉は、近年、無茶な二度の朝鮮出兵などが取り上げられることが多く、共感を得にくいところがあるのではないかと思います」

コネタでも以前、「明治時代の英雄番附」をご紹介したが、時代によって評価・人気にも影響が出る歴史上の人物たち。案外、世相が反映されるランキングなのかもしれません。
(田幸和歌子)
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ライター情報: 田幸和歌子

書籍出版社、広告制作会社を経てフリーに。
月刊誌・週刊誌・夕刊紙などで執筆中。

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