2010年11月17日
尖閣全映像を公開せよーー流出の教訓
尖閣諸島沖の中国漁船衝突の映像がYou Tubeを通じて全世界に公開したのは、日本国民に広く事実を知ってほしいためだったと、流出させた神戸駐在の海上保安官が任意取り調べの係官に語っている。国家公務員の身分という制約はあるにせよ、それなりに一貫している。国民には「知る権利」がある。
守秘義務違反という身分上の制約も、はたして事実を伝える映像が守秘義務の対象か否かには疑問がある。菅内閣は事実を”暴露”して中国政府を刺激したくないという配慮から、非公開とすることで中国側との間に合意したと伝えられているが、「すべての映像を公開せよ」というのが、中国政府の公式見解である。いまからでも公式に公開を決定すべきだ。
同時に、これを反中ナショナリズムに利用されないよう配慮し、国民の反中・嫌中感情を刺激しないよう留意すべきだ。日中両国民が反目し合えば、より深く傷つくのは日本側だからだ。中国には経済格差拡大にともなう民衆の不満が渦巻き、一触即発の状態になっている。
菅政権の”弱腰”外交は国際社会の嘲笑・冷笑の対象になっている。