2010年11月18日14時3分
ジャニーズ事務所所属タレントのファンクラブ会報誌を制作する出版企画会社社長らが、架空外注費を計上するなどして、2009年8月までの約4年間で約3億8千万円の所得を隠し、約1億1千万円を脱税したとして、東京国税局が18日までに法人税法違反容疑で東京地検に告発していたことが分かった。
告発されたのは、東京都千代田区の「ショウビ企画」、「エイ・オー・プロジェクト」(解散)、「昌美印刷」(同)の3社と、青木俊夫社長(73)、出越一敏役員(63)の2人。青木社長は、朝日新聞の取材に「国税局の指摘の通りの不正があった。すでに修正申告している」と話した。
青木社長らが受注していたのは、ジャニーズ事務所の所属タレントの公式ファンクラブ「ジャニーズファミリークラブ」が発行する会報誌の出版企画業務。会報誌は、タレントの写真やインタビュー記事などが掲載されたA5判縦折りの冊子で、会員全員に年4、5回郵送されている。ジャニーズ事務所によると、30年ほど前から青木社長側に委託しているという。
関係者によると、青木社長らは、設立したショウビ企画など3社間の取引で、架空外注費を計上するなどして申告所得を圧縮していた。また、税務調査前に会社を解散し、脱税が発覚しないようにしていたという。
こうした手法は、税理士事務所の職員でもあった出越役員のアドバイスを受けるなどして行われ、隠した所得は預金や不動産購入に充てていたという。