核問題：「3−6カ月後に実験可能」
2010年11月19日08時43分 / 提供：朝鮮日報
北朝鮮が「3回目の核実験」と「軽水炉建設」という2枚の核カードを同時にちらつかせている。共同通信や時事通信は18日付で、日本政府関係者の言葉を引用し、北朝鮮が過去2回の核実験を行った咸鏡北道吉州郡豊渓里で新たな坑道を掘るなど、「核実験を準備しているものとみられる」と報じた（本紙10月21日既報）。時事通信によると、この関係者は、豊渓里に新しい坑道ができたと説明し、「政府として衛星写真を確認している。写真を見れば明らかだ」「核実験はいつ行われてもおかしくない」と語った。また、今月2日から5日にかけて北朝鮮を訪問したジャック・プリチャード韓米経済研究所（KEI）所長は16日、ワシントンで記者会見を行い、「寧辺で会った北朝鮮の関係者が、100メガワット規模の軽水炉（発電所）を建設中だと言っていた」と語った。
現在までに判明している北朝鮮の動きだけでは、北朝鮮が3回目の核実験を強行するつもりなのか、ウラン濃縮プログラム（UEP）にかかわる軽水炉発電所を本当に建設するのか、判断するのは難しい。大統領府（青瓦台）は、「北朝鮮は何かをやっているようだが、すぐに結果が出る状況ではない」と語った。3回目の核実験については、現在坑道を掘っている段階と判断すると、3−6カ月後に可能となる。また軽水炉は、2012年の完成を目指しているという。
しかし北朝鮮は、窮地に立つたびに核カードを利用し、危機を突破する戦略を多用する。1回目の核実験（2006年10月）で米国の対北金融制裁を切り抜け、2回目の核実験（09年5月）では、金正日（キム・ジョンイル）総書記の健康問題で緩む気配を見せていた内部を引き締めた。現在、北朝鮮にとって最大の課題は、金総書記の三男・正恩（ジョンウン）氏の後継体制を固めることだ。安全保障部局の当局者は、「北朝鮮が、先軍政治の象徴となっている核で、正恩氏の業績作りに乗り出した可能性は十分にある」と語った。
韓国政府は、3回目の核実験に特に注目している。哨戒艦「天安」沈没事件以降、北朝鮮に対する中国の影響力が大きくなった状況で、北朝鮮が核実験を行って中国との関係を難しくすることはない、という見方ある。しかし、統一研究院の全星勲（チョン・ソンフン）先任研究委員は、「中国は北朝鮮の核保有を既定の既成事実として受け入れ、北朝鮮問題と核問題を切り離して対応している。3回目の核実験を行ったとしても、北朝鮮が滅ぶように放置することはない」と語った。北朝鮮は、9月29日に正恩氏の後継を公式化した後、国連での第一声で「核抑止力をさらに強化する」（朴吉淵〈パク・キルヨン〉外務次官）と語った。
これに対し、軽水炉については、ひどく心配することはないという雰囲気だ。ソウル大原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は、「軽水炉発電所は容易ではない。北朝鮮が外国から技術を盗んでこない限り、独自開発は難しい」と語った。このため軽水炉は、「第2の金倉里」になる可能性が大きいという分析も出ている。北朝鮮は90年代後半、寧辺に近い金倉里に大規模なトンネルを掘った。米国は地下核施設疑惑を提起し、99年2月にニューヨークで北朝鮮と接触した。同年5月、米国の調査団が金倉里を直接訪れたが、からっぽのトンネルを見ただけで帰った。その代価として北朝鮮は、数十万トンの食糧を手に入れた。今回の軽水炉カードも、6カ国協議の再開に備え、「身代金」を引き上げようという北朝鮮の事前作業だとみられている。
アン・ヨンヒョン記者
現在までに判明している北朝鮮の動きだけでは、北朝鮮が3回目の核実験を強行するつもりなのか、ウラン濃縮プログラム（UEP）にかかわる軽水炉発電所を本当に建設するのか、判断するのは難しい。大統領府（青瓦台）は、「北朝鮮は何かをやっているようだが、すぐに結果が出る状況ではない」と語った。3回目の核実験については、現在坑道を掘っている段階と判断すると、3−6カ月後に可能となる。また軽水炉は、2012年の完成を目指しているという。
しかし北朝鮮は、窮地に立つたびに核カードを利用し、危機を突破する戦略を多用する。1回目の核実験（2006年10月）で米国の対北金融制裁を切り抜け、2回目の核実験（09年5月）では、金正日（キム・ジョンイル）総書記の健康問題で緩む気配を見せていた内部を引き締めた。現在、北朝鮮にとって最大の課題は、金総書記の三男・正恩（ジョンウン）氏の後継体制を固めることだ。安全保障部局の当局者は、「北朝鮮が、先軍政治の象徴となっている核で、正恩氏の業績作りに乗り出した可能性は十分にある」と語った。
韓国政府は、3回目の核実験に特に注目している。哨戒艦「天安」沈没事件以降、北朝鮮に対する中国の影響力が大きくなった状況で、北朝鮮が核実験を行って中国との関係を難しくすることはない、という見方ある。しかし、統一研究院の全星勲（チョン・ソンフン）先任研究委員は、「中国は北朝鮮の核保有を既定の既成事実として受け入れ、北朝鮮問題と核問題を切り離して対応している。3回目の核実験を行ったとしても、北朝鮮が滅ぶように放置することはない」と語った。北朝鮮は、9月29日に正恩氏の後継を公式化した後、国連での第一声で「核抑止力をさらに強化する」（朴吉淵〈パク・キルヨン〉外務次官）と語った。
これに対し、軽水炉については、ひどく心配することはないという雰囲気だ。ソウル大原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は、「軽水炉発電所は容易ではない。北朝鮮が外国から技術を盗んでこない限り、独自開発は難しい」と語った。このため軽水炉は、「第2の金倉里」になる可能性が大きいという分析も出ている。北朝鮮は90年代後半、寧辺に近い金倉里に大規模なトンネルを掘った。米国は地下核施設疑惑を提起し、99年2月にニューヨークで北朝鮮と接触した。同年5月、米国の調査団が金倉里を直接訪れたが、からっぽのトンネルを見ただけで帰った。その代価として北朝鮮は、数十万トンの食糧を手に入れた。今回の軽水炉カードも、6カ国協議の再開に備え、「身代金」を引き上げようという北朝鮮の事前作業だとみられている。
アン・ヨンヒョン記者
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