記事入力 : 2010/11/15 16:23:14
【コラム】FTA交渉で米国が見せた、大国らしからぬ姿(上)
現代自動車と起亜自動車は、今回の交渉には特別な関心を示さなかった。要するに、韓国市場では米国車をライバルと見なしていないのだ。米国車の競争力からすると、韓国が「あなた方の意向をすべて聞いてあげましょう」と気前よく応じることも考えられた。
ただし、李明博(イ・ミョンバク)大統領にも、米国の事情を聞き入れたいとの気持ちはあったはずだ。かつて、多くの米国の若者が韓国戦争(朝鮮戦争)で犠牲になった。そして戦後、貧しさと飢えに苦しむ韓国に対し、衣服や小麦粉、粉ミルクなどを援助してくれたのが米国だった。さらに、韓国は米国から借りた資金で産業化を成し遂げた。第二次世界大戦以降、米国が援助した国家のうち最も成功したのが大韓民国だ。今や世界13位の経済大国に発展し、新興大国の一員として、主要20カ国・地域(G20)首脳会議を開催するまでになった。韓国の大統領が米国や日本、中国、ドイツ、フランスの首脳に囲まれて世界の未来を論じ、世界の貧しい国々を支援しようと訴える堂々とした姿を、これまで想像できただろうか。そう考えると、現在のように米国が困難に直面し、われわれに援助を求めてくれば、その手を振り払わずに、救いの手を差し伸べるのが国際政治を越えた世の中の道理ともいえる。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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