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【芸能・社会】田村正和が大石内蔵助 年末、テレ朝系で2010年11月19日 紙面から
俳優田村正和(67)が大石内蔵助役に初めて挑むテレビ朝日系の2時間スペシャルドラマ「忠臣蔵〜その男、大石内蔵助〜」が年末に放送されることが18日、分かった。本紙のインタビューに応じた田村は「時代劇をやってきた俳優にとって、大石内蔵助というのは絶対にやりたい役」と、並々ならぬ意欲で日本を代表するヒーローを熱演する。 「眠狂四郎」や「古畑任三郎」など、時代劇から現代ドラマまで数々の主役をこなしてきた名優が、いよいよ俳優人生の集大成ともいえる大役でお茶の間に登場する。 出演依頼がきた当初は「僕は“内蔵助役者”じゃないなと思いました。ミスキャスティングじゃないかという感もあった」という田村。しかし同局の田中芳之プロデューサーは「田村さんを選んだのは忠臣蔵に“現代”を反映させたかったから。現代のセンスを持った方が内蔵助を演じることで、今の時代にふさわしい新しい忠臣蔵ができる」と期待を寄せる。 これまで何度も映像化されてきた不朽の名作「忠臣蔵」。田村は故・三船敏郎さんが内蔵助を演じた「大忠臣蔵」(1971年、テレビ朝日系)で四十七士の一人、矢頭右衛門七役として出演。故・萬屋錦之介さんが内蔵助として主演した「赤穂浪士」(79年、同)でも架空の人物、堀田隼人役を演じた。 「あのころ内蔵助をやる方は大ベテランの大ベテランがなさるものだと思っていた」という田村。「僕もそういう年になったのかなあ」としみじみ語る。 田村の父親である故・阪東妻三郎さんも演じた内蔵助役。親子二代で演じることについて田村は「僕がオヤジのような内蔵助をできるわけないし、長谷川一夫さんのような美しい内蔵助もできるわけがない。僕のやる内蔵助は、僕のやる内蔵助にしかなりえない。それを見ていただく」と話す。 今回の「忠臣蔵」のテーマは“内蔵助の人物像”。台本を読んだ田村は「お家断絶からあだ討ちに至るまでの内蔵助の抑えた心情がすごく効果的、魅力的に描かれている」と太鼓判を押す。一番好きなシーンについては「南部坂の別れ」を挙げた。 田村・内蔵助を取り巻く共演陣にも豪華な顔ぶれがそろった。浅野内匠頭は玉山鉄二(30)、内蔵助の妻りくは岩下志麻(69)、吉良上野介には西田敏行(63)のほか、檀れい(39)、小沢征悦(36)、石田ゆり子(41)、梶芽衣子(63)、伊武雅刀(61)らが出演。「憎たらしい上野介をつくった」と豪語する西田と“対決”する田村は「まあ、思いっきりブッスリ刺そうと思ってます」と笑顔をみせた。 ◆同い年67歳・北大路と初共演今回の出演者の中で最も注目されるのが、意外にもこれが田村との初共演となる北大路欣也(67)だ。同世代で、田村は故・阪東妻三郎さん、北大路も故・市川右太衛門さんという偉大な映画俳優を父親に持つ点も共通する。 今回、北大路が演じる立花左近と田村・内蔵助が対峙(たいじ)するシーンは「忠臣蔵」中盤の最大の見せ場。田村は「北大路さんのお父上も僕のオヤジと同じように、一時代を頑張ってきた方たち。その息子同士が、心が通じ合う男同士でご一緒する。楽しみのような緊張するような。“オヤジよ見ててくれ”という感じですかね」と心境を語った。 さらに「北大路さんのお父上はずいぶん長生きされましたからねえ。僕のオヤジは九つの時に死んでますからね。彼の方がお父上との時間をたっぷり過ごせた。僕に比べて数倍一緒に過ごせたから、うらやましい気持ちもあります」と本音も明かした田村。「僕のオヤジも、せめて大学出てこの世界に入ってある程度頑張っているところまで生きててくれたら喜んでくれただろうと思う」と話す田村にとって、今回の大役は天国の父親に贈る最高のプレゼントともいえそうだ。
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