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三重・四日市の誤認逮捕:警官馬乗り制圧は違法 逮捕男性死亡で津地裁、県に賠償命令

 ◇死亡との因果認めず

 三重県四日市市のスーパーで04年2月、窃盗未遂容疑で現行犯逮捕された男性(当時68歳)が駆け付けた警察官に馬乗りになられ、翌日に死亡したのは違法な制圧行為が原因などとして、男性の妻(70)が県に約5700万円の損害賠償を求めた訴訟で津地裁は18日、880万円の支払いを命じた。堀内照美裁判長は「制圧行為は限度を超え、違法」と原告の訴えを一部認めたが、「制圧行為がなければ心不全が発生しなかったとは言えない」と述べ、死亡との因果関係は認めなかった。

 裁判で遺族側は誤認逮捕を主張。この主張に絡んで(1)警察官の制圧行為の過失の有無(2)制圧行為と死亡の因果関係(3)買い物客らによる現行犯逮捕が適正かどうかを巡る警察官の審査義務違反の有無--が争点になった。

 判決は誤認逮捕の判断は示さずに「身長160センチ、体重65・5キロの小柄な老人に対し、警察官は181センチ、94キロで体力的に勝っていた。男性を(馬乗りのまま)制圧し続ける必要があったと言えず、限度を超えていた」として過失を認定した。

 その上で「見知らぬ女性から犯罪者扱いされた男性の戸惑い、緊張、怒りは小さなものであったとみることはできず、警察官の制圧行為によるストレスがなければ死亡しなかったとまでは言えない」と判断した。【大野友嘉子、谷口拓未】

毎日新聞 2010年11月19日 東京朝刊

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