3人殺傷事件が起きた被害者宅=宮城県石巻市で2010年2月撮影
宮城県石巻市で2月に起きた3人殺傷事件で、殺人や未成年者略取などの罪に問われた同市の元解体作業員の少年(19)は18日、仙台地裁(鈴木信行裁判長)裁判員裁判の被告人質問で「自分のしたことを絶対忘れず、一生償っていきたいです」と涙声で謝罪した。
少年は、元交際相手の女性(18)との復縁に反対する女性の姉らを殺傷したとされる。被害者への気持ちを弁護人に問われ「当時は相手の気持ちを考えず、自分の気持ちだけで行動していた。僕の身勝手な考えで2人の命を奪ってしまい、申し訳ないと思っています」と声を絞り出した。
母親の証人尋問もあり、男性裁判員が「どういう刑を希望するか」と尋ねると、約30秒間すすり泣き「2人もあやめてしまいましたが、それでも大切な息子です」と答えた。弁護人の問いには「今後、何があっても息子を見捨てません」と述べた。
少年は女性への傷害罪などを否認、被告人質問でも「女性が自分でたばこの火を押し付けた」と述べた。一方で3人殺傷の起訴内容はほぼ認めており、19日の論告求刑では、少年の裁判員裁判で初の死刑求刑の可能性もある。【鈴木一也】