2010年9月21日 21時59分 更新:9月21日 22時19分
国土交通省が公表した基準地価で、東京・銀座(中央区銀座2の「明治屋銀座ビル」)が5年連続で商業地の最高価格となった。しかし、下落率も19.2%減と全国2位の高さ。一方で、ビジネス街の東京・丸の内(千代田区丸の内3の「東京商工会議所ビル」)が小差の2位につけた。銀座の下落幅は年々拡大しており、丸の内が銀座を逆転する可能性も出てきた。
銀座の地価は、リーマン・ショック前の08年には1平方メートル当たり3000万円だったが、今年は同2020万円にまで落ち込んだ。国交省は「リーマン・ショック後の不況で高級ブランド店の売り上げが減少し、賃料の負担能力が低下したことが地価の下落に直結したのでは」と分析する。
今年4月の「フォーエバー21」に代表される低価格のファストファッション店の進出が相次ぎ、通りには買い物袋を手にした若い男女の姿が目立つ。地元不動産業者は「今では銀座は若者に格安の衣料を買う街だと思われている」と嘆く。一方、丸の内は前年比8.6%減の同2010万円となり、銀座との差はわずか10万円に迫った。同地区の大地主である三菱地所が、今年4月に美術館を開設するなど「大人の街」を意識した整備が進む。地価下落そのものに歯止めはかけられていないが、みずほ証券の石沢卓志・チーフ不動産アナリストは「丸の内は地方都市に匹敵する40万人の昼間人口があり、その消費を受け止める街づくりには成功した」と分析している。【寺田剛】
<上昇率>
(1)名古屋市緑区鶴が沢1の2201 7.2
(2) 同区鶴が沢1の1710 5.6
(3) 同区鳴海町神ノ倉3の264 4.9
(4) 同区ほら貝2の313 4.7
(5) 同区鳴丘1の2325 4.6
(6) 同区桃山2の129 4.3
(7)川崎市中原区小杉町3の441の18 2.9
(8)愛知県刈谷市若松町1の4 2.8
(9)川崎市中原区小杉御殿町2の144の1 2.8
(10)熊本市春日5の5の14 2.5
<下落率>
(1)大阪市中央区南久宝寺町3の6の6 ▼24.5
(2)東京都中央区銀座2の6の7 ▼19.2
(3)大阪市中央区高麗橋1の8の13 ▼19.1
(4) 同区南船場3の5の11 ▼18.3
(5)東京都中央区銀座3の2の9 ▼17.9
(6) 同区銀座8の6の25 ▼17.9
(7) 同区銀座7の11の14 ▼17.6
(8)大阪市中央区南本町4の5の7 ▼17.3
(9)北海道夕張郡栗山町中央2の189 ▼16.4
(10)大阪市中央区東心斎橋2の5の3 ▼16.3
※数字は%で小数点第2位以下四捨五入、▼はマイナス。