2010年9月19日 19時43分
総務省は20日の敬老の日に合わせ、高齢者人口の推計値(15日現在)を発表した。65歳以上の高齢者は前年より46万人多い2944万人(総人口比23.1%)と過去最高を更新。うち80歳以上は前年比38万人増の826万人(同6.5%)と初めて800万人を超え、高齢化が進行している実態を示した。
男女別では、65歳以上の男性は1258万人で、男性人口に占める割合が20.3%と初めて2割に達した。女性は1685万人で女性人口の25.8%を占めている。
世帯主が高齢者で無職の2人以上世帯の家計収支をみると、09年の1世帯当たり1カ月間の実収入は22万7000円で前年と同水準。実支出は交際費などの減少により前年比8000円減の27万1000円で、4万4000円の「赤字」は預貯金の取り崩しなどで賄っている。高齢者2人以上の世帯の貯蓄現在高は同24万円減の2305万円で、株価低迷の影響もあって2年連続で減少した。
一方、65歳以上の就業者数は565万人で、65~69歳の就業率は男性46.9%、女性26.3%と、年金の支給開始時期の引き上げなどでここ数年、上昇傾向にある。また、高齢雇用者319万人のうち、非正規雇用の職員・従業員は158万人と約半数に達した。
推計値は05年の国勢調査を基に、その後の人口動態などから算出。多数の高齢者が所在不明となっている戸籍や住民基本台帳の問題は直接には関係しないが、国勢調査で虚偽記載があった場合は影響を受ける可能性もあるという。【笈田直樹】