阪急電鉄は阪急京都線に観光客の利用を想定した特急列車を投入する。土日祝日に梅田―河原町駅間を1日数本走らせる計画で、既存の特急列車より停車駅を3駅減らして4駅に絞る。春と秋の行楽期に限って宝塚駅などから運行していた嵐山駅行きの臨時列車も期間を拡大、増発して利便性を高める。輸送人員が長期低迷するなか、観光地への誘客に軸足を置いた編成で旅客需要を掘り起こす。
新たに運行する観光特化型の特急列車は十三、淡路、桂、烏丸の4駅を停車駅とする。従来の特急が止まる茨木市、高槻市、長岡天神の各駅は通過する。土日祝日の朝夕を中心に運行する方針。今年2月に営業運転を終えた特急専用車両「6300系」の内装を京風に改造し、旅情を誘う趣向を凝らすという。来年5月にも実施するダイヤ改正の目玉とする。
このほか梅田駅と宝塚駅、高速神戸駅を出発駅とする嵐山駅行きの臨時列車を増発。これまで運行期間を春と秋に限定していたが、「初夏の新緑や雪景色など嵐山の多彩な魅力を楽しめるようにしたい」(幹部)。
京都市の調べによると、京都を訪れる観光客のうち兵庫県からの来訪者は全体の9%程度にとどまる。阪急電鉄は大阪府(約27%)や東京都(約8%)と比べ、阪神間では観光客を開拓する余地が大きいと判断。神戸・宝塚方面から京都方面へ向かうには十三駅で京都線に乗り換える必要があるが、その手間を省いた直通列車を増やすことで乗客の利便性を高める。
地下鉄堺筋線と相互乗り入れをする大阪市交通局とは、阪急京都線の高槻市駅止まりの運転区間を延伸する方向で調整中。天下茶屋駅と河原町駅を結ぶ直通列車を、土日祝日に定期運行する案が有力だ。
昨年秋に試験走行したところ、「想定を上回る乗客数で盛況だった」(大阪市交通局)という。定期運行が実現すれば、大阪府の南部や和歌山県から京都方面へ向かう観光客の増加を期待できそうだ。
都市間を結ぶ阪急電鉄の乗客は、通勤や通学での利用が半数を超える。ただ同社の輸送人員は1991年から減り続けており、国内外からの観光客を取り込んで沿線の活性化につなげる。
一方で西日本旅客鉄道(JR西日本)は京都市などと連携し、京都市内の鉄道やバスが乗り放題になる乗車券を12月1日に発売。福岡や福井など遠方から訪れる観光客には山陽新幹線「のぞみ」や在来線の特急列車に乗れるようにする。京阪電気鉄道や近畿日本鉄道も観光施設への入場料が割引になる特典付きの「京都フリーパス」を12月11日から売り出すなど、競合各社も観光需要の開拓に力を入れている。
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