ワシントン(CNN) 米政府機関のウェブサイトのトラフィックが4月に一時的に「乗っ取り」に遭い、中国のサーバーを経由する状態になっていたとする報告書が17日に米議会に提出された。
報告書は米中経済安全保障検討委員会がまとめた。それによると、米陸軍、海軍、海兵隊、空軍、国防長官室、上院、航空宇宙局(NASA)などのサイトから入出力される全トラフィックの経路が変更され、18分の間、中国を経由していたという。
経路を変更させたのは中国国営のチャイナ・テレコム(中国電信)だと報告書は述べている。同社がこれらサイト上のインターネットトラフィックに対して虚偽の情報を流したため、一部のトラフィックが誤って、中国にある同社のサーバーを経由するのが最も近道だと判断したとされる。
経路変更が意図的に行われたのか、中国政府が関与しているのか、機密情報の流出があったのかどうかなどは不明だという。しかしこれによってユーザーの監視やサイトの監視、通信の妨害、暗号化で守られていたはずの通信の傍受ができていた可能性もあるという。
米国防総省報道官は、事実関係については確認できないとしながらも、「現在と未来の潜在的弱点に対処するための措置を取る」と語った。
一方、在米中国大使館の広報は報告書を批判し、「中国は実世界においても仮想世界においても、他国に危害を加えるようなことはしない」と話している。