県立大(浜田市)は10日、昨年秋に遺体で発見された県立大生の平岡都さん(当時19)をしのび、ロシア海洋国立大(ウラジオストク)が県立大生を対象に同大で学ぶための奨学金制度を提案してきたことを明らかにした。県立大は提案を受け入れ、来年8月に約1カ月ある研修プログラムから学生1人に適用される。選抜基準は今後、検討する。
県立大は今年8月、交流に関する覚書を締結。11月9日、提案を伝えるS・A・オガイ学長名の書簡が本田雄一学長に届いた。平岡さんは昨年10月、同大の練習帆船が浜田港に寄港した際に同大生と交流。オガイ学長は「ロシア語やロシア文化を勉強するに当たって必要とする環境の整備は、平岡さんをしのぶことを意味する」として、研修中の授業料や宿泊料を負担する制度の創設を提案した。
本田学長は、平岡さんの両親に提案を知らせる手紙を発送したといい、「ありがたい。あつく感謝する」と話した。【大西康裕】
毎日新聞 2010年11月11日 地方版