北朝鮮、経済と社会に対する引き締め強化
関連法を相次ぎ改定
社会全般に対する当局の統制や管理を強化するため、北朝鮮は関連する法律を相次いで制定あるいは改定していることが、16日までに分かった。
北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋はこの日、「北朝鮮で今年4月に改定された人民経済計画法や、3月に改定された平壌市管理法など、四つの法律の内容を最近入手した。これらは経済問題から人民の生活に至るまで、あらゆる分野を中央政府が掌握することを目指すものだ」と語った。北朝鮮は貨幣改革が行われる直前の昨年11月からこれまで、少なくとも17の法律を新たに制定、あるいは改定しているという。
改定された人民経済計画法では、これまで17条に記載されていた「人民経済計画は下から上げられる方法で作成する」という内容が削除された。消息筋は、「この条項は北朝鮮が2002年に7・1経済改善措置を断行する際、末端の工場や企業に生産の裁量権を与えるために加えられたものだ。これが削除されたということは、今後はこの裁量権を認めないという意味合いになる」と語った。
これとは逆に、01年の改定で削除された「準備数値」と「統制数値」という用語が今回の改定で復活した。消息筋は、「“準備数値”は各工場や企業が自ら判断する潜在的な供給量を、“統制数値”とは中央政府が把握する実際の需要を意味するものだ。過去の計画経済時代では、規律を強調するための用語として用いられていた」と述べた。
27条には、「人民経済計画は法的な課題」という表現が新たに挿入された。消息筋は、「一部で部分的に認められてきた生産現場の自律性を、完全にはく奪するという意味だ」と説明する。
今年3月30日に改定された平壌市管理法も、平壌市の管理と運営面での国家の役割を強調している。本来、平壌市に対する全般的な管理責任は、平壌市人民委員会にあるとされているが、今回の改定を通じて国家計画委員会(48条)と内閣(52条)も、市政への管理・監督・統制の権限を持つようになった。
さらに17歳以上のすべての平壌市民には、「常に市民証を携帯する(32条)」ことが義務づけられたが、消息筋によるとこれは、「平壌市への出入りをさらに徹底して統制するため」だという。また「住民の住宅需要を円満に保障しなければならない(17条)」「(平壌市のための)商品生産を計画化し、生産の保障も常に行われなければならない(51条)」という内容も新たに付け加えられ、中央政府が平壌市の住宅問題や商品流通問題に直接関与するとの意向も明確にした。これらについて消息筋は、「同時に入手した労働保護法や商工会議所法も、国家による管理・監督・統制を強化する意図が明確だ」と語る。
東国大学のキム・ヨンヒョン教授は、「貨幣改革以後、経済の状況が悪化し、金正恩(キム・ジョンウン)後継体制もまだ不完全な状況にあるため、北朝鮮は住民生活の改善に向けた積極的な改革よりも、内部の引き締めがより重要と判断しているようだ」「対外的には中国との経済協力を通じて部分的な開放を模索するだろうが、保守的な経済政策では実質的な成果を得るのは難しいだろう」と述べた。
李竜洙(イ・ヨンス)記者