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福見悔し「銀」…柔道で疑惑判定/アジア大会 (2/2ページ)

2010.11.17 05:05
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特集 : 柔道
福見悔し「銀」…柔道で疑惑判定/アジア大会
呉(手前)を攻める福見。疑惑の判定負けに、日本関係者は怒りを噴出させた(ロイター)【フォト】

 2本挙がった白の旗に、福見が顔色をなくした。大歓声が場内を揺らし、畳脇に座る大会進行係やタイムキーパーまで喜ぶ異例の光景。女子48キロ級で昨年の世界女王が、開催国寄りの“疑惑の判定”に泣いた。

 「自分では勝っていると思っていました。でも投げないと意味がないので…。負けと同じだと思います」

 福見は潔かった。しかし、決勝は延長にこそもつれ込んだものの、世界ランク1位の福見が同20位の呉に積極的に小内刈りをかけ、寝技に挑んだ。それでも判定で青旗を挙げたのは、レバノン人の副審だけ。モンゴルの主審と韓国の副審は福見を支持せず、2−1で防戦一方の中国選手に勝利が転がり込んだ。

 悔しさを押し殺す福見に代わり、日本柔道連盟側は怒りを噴出させた。

 「過去の海外の試合でも、こんなひどい審判は見たことがない。こっちが3回も転がして寝技で倒しているのに」

 声を荒らげたのは吉村和郎強化委員長だ。「ああいう判定をされたら中国自体が疑われる」と怒り心頭で、ジュリー(判定の正誤を監視する審判団)へ確認する意向を示した。全日本柔道連盟の上村春樹会長も「地元びいきを差し引いても、福見は勝っていた」と顔を真っ赤にした。

 福見は、同階級で五輪2大会連続金メダルの谷亮子参院議員が先月に引退後、「ポスト谷」の一番手。しかし、決勝で浅見八瑠奈(山梨学院大)に敗れ連覇を阻まれた9月の世界選手権(東京)に続くV逸となった。

 「気持ちの整理をしっかりつけて、これから課題をしっかり見つけていきたい。注目される階級だと思うので自分のことに集中してやりたい」。2年後のロンドンへ向け、今が試練の時だ。(佐藤ハルカ)

柔道女子日本代表・園田隆二監督の話

「審判が3人もいてこれですから…。地元で中国選手ということを差し引いても厳しい判定だと思う。審判が絶対なのは分かるが、抗議ができないというシステムの問題もある」



この記事のフォト

呉(手前)を攻める福見。疑惑の判定負けに、日本関係者は怒りを噴出させた(ロイター)
えっ、まさか…。旗判定で敗れた福見(右)は、歓喜の中国選手(左)を前にぼう然(撮影・森本幸一)

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