米原市の雑排水槽で交際相手の小川典子さん(当時28歳)を窒息死させたとして殺人罪に問われた森田繁成被告(41)の裁判員裁判の第7回公判が16日、大津地裁(坪井祐子裁判長)であった。被告人質問では、被告が携帯電話から小川さんの情報を削除した理由について、検察側と被告が対立した。
検察側は、小川さんが消息を絶った後の昨年6月12日、被告が携帯電話のデータから、▽小川さんとの間で送受信したメールを別のディスクに移動▽通話の受発信履歴を消去▽小川さんや小川さんの母らの電話番号を消去--したと指摘。被告の有罪を立証する根拠の一つとしていた。
弁護側に理由を尋ねられた被告は、「(小川さんの母が小川さんを捜しに自宅に来たため、浮気を疑う)妻の追及を逃れるため」「妻に携帯電話を見せるため、普段から消していた」などと答えた。
検察側が「(被告は)取り調べで小川さんを心配するメールを送ったとうそをついた。携帯電話のデータを削除したからばれないと思ったのでは」と迫ると、被告は「ただの勘違い」と否定した。
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坪井裁判長はこの日の法廷で、予備日としていた18日に遺族への証人尋問などを行うと述べた。4日の初公判から22日の論告求刑・最終弁論まで、審理は計10日間となる。判決言い渡しは来月2日の予定。【加藤明子】
毎日新聞 2010年11月17日 地方版