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【滋賀】

小川さん「暴力受けた」 被害者の友人証言、被告は強く否定

2010年11月16日

 15日に行われた米原女性殺人事件の裁判員裁判の第6回公判。殺害された小川典子さん=当時(28)=の友人や森田繁成被告(41)の同僚の証人尋問があり、森田被告から暴力を受けたと小川さんから相談されていたことや、2人が社内で激しく言い争っていた状況を証言した。弁護側から被告への質問も行われ、被告は小川さんに暴力をふるったことを強く否定、証人が証言する小川さんの言動やその経緯を説明した。検察側の被告人質問は16日に行われる。

 小川さんと中学時代からつきあいがある女性2人が被告の暴力や浮気で悩む小川さんの様子を証言した。

 「車内のシートに押し倒されたり、殴られたり、首を絞められたりしたと聞いた」。女性の1人は、小川さんが亡くなる半年ほど前から相談を受けていたことを話した。

 「暴力が始まると止められない。このままやと殺されるかも」「会社に関係をばらして、向こうも会社にいられなくしたい」

 最後に電話で話した昨年4月に、小川さんが疲れ果てた様子でそう話したという。

 別の女性も「のん(小川さん)に何かあったら、森田繁成、こいつは絶対に許さないで」「浮気もんの頭ぶちぬかな治らんわ」と小川さんから被告をののしるメールを受けていたことを明かした。

 森田被告の同僚への証人尋問に続き弁護人から被告への質問。

 「ないです」

 小川さんに暴力をふるったことがあるか問われ、森田被告がこれまでにない強い口調で、弁護人に答えた。

 「典子さんは、仕事や私のことで悩むと車の中で手を振り回して暴れることがあった」。被告が説明していく。「どうしてもヒステリックになってしまうので、なだめるのに体を押さえつけることもあった」

 小川さんの友人の証言と食い違う被告の話に、女性裁判員が被告と弁護人の顔を交互に見入って聴く。

 弁護側は、小川さんが被告に送信したメールをまとめた資料を自前で準備。小川さんが森田被告の女性関係を疑ったり、仕事での悩みで不安定な心理状態になっては、被告になだめられる状況の説明を求めた。

 被告は、じっくり話を聞き、小川さんが納得しなければけんかになることを強調。たいがいの場合、「数時間か、長くても1日か2日で機嫌が直る」と説明した。

 質問の最後。弁護人が「昨年6月10日の『お前が大事にしているものに一生償ってもらう』という小川さんからのメールはどう思ったか」と質問する。被告が小川さんを殺害した動機となったと検察側が主張するメールに「当たりちらしている程度。時間がたてば元に戻ると思った」と森田被告。それまでの感情と同じだったことを淡々と語った。

 

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