「国が身近に」「責任痛感」 2012年4月の第19代国会議員総選挙から始まる在外国民の参政権行使に備えた模擬在外選挙が14、15の両日、世界21カ国26カ所の韓国公館で実施された。平均投票率は38・2%。日本では駐日大使館(東京・四谷)と駐大阪総領事館(中央区西心斎橋)の2カ所で行われ、模擬投票であるにもかかわらず参加登録者の61%(1450人)が投票に参加、国政参与への強い関心と期待を示した。 投票率61% 国政参加へ強い関心と期待 東京では14日、歴史的な「一票」を投じたいと投票開始(午前10時)の30分前から民団関係者と同胞ら100余人が大使館の2階に設けられた投票所前に列をなした。 鄭進民団中央本部団長、余玉善婦人会中央本部会長、金賢中総領事らを先頭に次々と投票した。在日同胞は2世・3世はもとより高齢の1世も含め、生まれて初めてのことだ。 鄭団長は、韓国報道陣の質問に「私は70歳を超えているが、これまで一度も選挙権を与えられない。祖国の選挙に初めて参加できることになり感無量だ」と語った。 埼玉県在住の男性(60)は「模擬ではあるが、初めての投票に緊張している。国民としての基本権が認められて大変うれしい。同時に責任を痛感した。祖国の繁栄と前途をしっかりと考えてくれる政党および大統領候補に一票を投じたい」と表明。 神奈川県在住の女性(58)は「生まれて初めての投票だ。模擬投票であれ、一回は投票してみたかった。在外の国民にまで選挙権を認めるのは、それくらい国が発展したということでもあり非常にうれしい」と興奮を隠さなかった。 投票のために茨城県からバスで2時間かけて来たという40代の男性は「韓国が一層身近なものとなった。韓国の政治にこれまで以上に関心をもち、一票を大事に行使したい。特に韓日の友好・協力増進と在日の権益伸長に真剣に取り組んでくれる政党や有能な政治家を選びたい」と語った。 東京都内在住の3世の女性(25)は「国が在外の国民として選挙権を認めてくれてうれしい。これをきっかけに韓国のことにもっと関心を持ち、政治についても勉強していきたい」と述べた。 【大阪】大阪在住の2世の男性(67)は「死ぬまでに一度は投票したかったので大変うれしい。今後何回できるかわからないが、今度の大統領選挙にはぜひ投票したい。そのためにも健康でいることが大事だと思っている」と喜びを語った。 和歌山県から3時間かけ来たという男性(58)は「生まれて初めての投票でうれしい。韓国のことになると一喜一憂してきた。選挙に参加できることは、韓国の政治に直接つながることであり、画期的なことだ」と強調した。 (2010.11.17 民団新聞)
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