日仏から「帰国」する流出文化財、その後の管理は?(上)
外奎章閣図書:国立中央博物館が所蔵する可能性大
宮内庁所蔵図書:国立古宮博物館か、ほかの場所に…
フランス海軍によって略奪された外奎章閣(朝鮮時代、歴代国王に関する文書を保管していた奎章閣の付属図書館)図書と日本の宮内庁所蔵図書が、長い年月を経てようやく故国に返ってくる。長期間にわたる交渉の末、これら二つの懸案は、どちらも首脳間の合意を済ませ実務協議を控えた状態にあり、引き渡される図書の保管場所や管理など、今後の手続きに関心が集まっている。
■「取り戻した意味を生かせる場所に」
フランス海軍が略奪した外奎章閣図書については、韓国とフランスの首脳が「5年単位で更新可能な一括貸与」という形で合意を発表した。合意文によると、フランス国立図書館に所蔵されている外奎章閣図書297冊を韓国国立中央博物館が所蔵し、両機関が具体的な実務協議を行い、貸与の時期や費用、手続きなどで合意した後、これに関する了解覚書(MOU)を締結しなければならない。
外奎章閣図書の保管場所としては、国立中央博物館がほぼ確実視されている。文化財庁は、「フランスとの交渉の際、国立中央博物館が遺物の保管・調査・研究および展示・広報に最もふさわしい場所として注目され、合意文にも明示されている。そのため、場所が変わる可能性はほとんどない」と語った。韓国国民が気軽に接することができ、かつ取り戻した文化財の象徴性を最もよく生かせる機関というわけだ。
一方、宮内庁所蔵図書1205冊は、文化財庁が引き受ける。保管場所は国立古宮博物館が有力だが、別の場所も「ゆかりがある」と主張している。朝鮮王室儀軌還収委員会事務総長の慧門僧侶は、「朝鮮王室儀軌がもともと所蔵されていた五台山月精寺で保管するのが好ましい」と主張している。だが、引き渡し交渉に韓国側の専門家として参加したパク・サングク韓国文化遺産研究院長は、「伊藤博文初代韓国統監が持ち出した図書のうち、奎章閣のものはソウル大奎章閣、統監府が集めたものは国立故宮博物館と、それぞれ分けて保管するのがよいのではないか」と語った。
- 写真提供=文化財庁