1票の格差5倍“大きな不平等”
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1票の格差5倍“大きな不平等”

11月17日 12時27分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

ことし7月の参議院選挙で、1票の価値に最大で5倍の格差があったことについて、東京高等裁判所は憲法には違反しないという判断を示しましたが、「大きな不平等があり、国会で速やかに適切な検討が行われるべきだ」と指摘し、国会に対して早急に格差を是正するよう求めました。

この裁判は、ことし7月に行われた参議院選挙で、選挙区ごとの1票の価値に最大で5倍の格差があったことについて、弁護士のグループが選挙権の平等を保障した憲法に違反すると主張して、選挙を無効にするよう求めたものです。判決で、東京高等裁判所の岡久幸治裁判長は「格差を大幅に縮小するためには、各都道府県の選挙区ごとに偶数の議員数を配分する現在の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要で、高度に政治的な判断が必要であり、今回の選挙までに制度を変えなかったことが憲法に違反するとはいえない」という判断を示し、訴えを退けました。しかし、5倍の格差については「大きな不平等がある状態で、前回の選挙より格差が拡大している。選挙制度は民主政治の基盤であり、国会で国民的な課題として速やかに適切な検討が行われるべきだ」と指摘し、国会に対して早急に格差を是正するよう求めました。参議院選挙の1票の価値をめぐっては、3年前の参議院選挙の4.86倍の格差について、去年9月、最高裁判所大法廷が選挙制度そのものを見直す抜本的な対応を求めています。判決について、原告の1人、山口邦明弁護士は「なぜ5倍の格差が許されるのか、まったく理由が書いていないので不満だ。参議院はいずれ制度を見直すと言いながら16年間もたっており、これ以上時間的な猶予を与えるべきではない」と述べ、最高裁に上告する方針を明らかにしました。