熱を電気に 新材料作成に成功
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熱を電気に 新材料作成に成功

11月17日 4時26分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

「熱を電気に換える」新しい金属材料を、安く安全に作ることに名古屋大学などの研究グループが成功しました。ふだん捨てられている廃熱を使った発電や、希少な金属「レアアース」を使わない電池の開発などに応用できるとして注目されています。

開発したのは、名古屋大学や東京大学、それに東京工業大学などのグループです。研究グループでは、人工の宝石の原料で知られる「チタン酸ストロンチウム」という物質と、チタンや水を含むガラスを組み合わせて電圧を加えると、水が電気分解され、その結果、物質の表面が熱を電気に換える性質を持つことを発見しました。これまで、こうした材料は、鉛やアンチモンなどを含む物質が知られていますが、埋蔵量が極端に少ないことや、有害性などの課題がありました。これに対し、今回の金属材料は、安全な物質と水だけで安いコストで作ることができ、しかも熱を電気に変換する能力は、従来のおよそ2倍だということです。名古屋大学大学院工学研究科の太田裕道准教授は「耐熱性も優れているので、エンジンから出る熱で発電するハイブリッド車への応用や、中国の輸出規制が問題となっている『レアアース』を使わない電池などに応用が期待できる」と話しています。