中国、インフレ退治総力戦 食料価格に上限、買い占めに罰金など視野 (1/2ページ)

2010.11.17 05:00

上海市内のスーパーで食品を選ぶ買い物客。中国政府はインフレ抑制策として、食品価格の上限設定などを実施する可能性がある(ブルームバーグ)

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 中国政府はインフレ抑制策の一環として、食料価格の上限の設定やトウモロコシ、綿花などに対する投機の取り締まり強化に乗り出す可能性がある。中国証券報が伝えた。このほか消費者への補助金支給、買い占めと価格つり上げに対する罰金、地方行政のトップが野菜など一部食品の価格に責任を持つ制度の導入が予想されるという。

 この件についてブルームバーグ・ニュースは、中国の国家発展改革委員会(NDRC)にファクスで質問を送付したが、回答は得られなかった。

 中国当局がこのほど発表した10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で4.4%上昇。政府年間目標の3%を上回り、インフレ圧力が鮮明になった。先月3年ぶりの利上げを実施した中国人民銀行(中央銀行)は先週、市中銀行の預金準備率も引き上げるなど金融引き締めを本格化している。

 中国商務省は16日に声明を発表し、インフレ抑制に向け他の政府機関と連携していく方針を明確にした。このほか、一部を除く大半の品目については十分な供給が確保されているとの認識を示した。

 同省の調べによると2010年11月の最初の10日間、国内の野菜価格は前年同期比で62.4%、年初来で11.3%それぞれ上昇した。供給抑制が投機マネーの流入を招いた結果、中国でのコメ並びにトウモロコシ価格は16日、ともに過去最高を記録。政府は供給不足を緩和して価格を安定させるべく、国家備蓄分の砂糖、綿花、トウモロコシ、アルミ、亜鉛をすでに市場投入している。

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