今日は何の日?
11月17日 将棋の日
今日、11月17日は将棋の日です。
将棋好きであった江戸幕府第8代将軍徳川吉宗が年に1度、旧暦の11月17日に「御城将棋の日」として御城将棋を行っていたことに由来し、昭和50年(1975年)に日本将棋連盟が11月17日(新暦)を「将棋の日」として制定しました。
将棋には先手・後手があり、一般には「将棋は先手が有利」と言われるようですが、実際のところ先手と後手の間に有利・不利はあるのでしょうか?はたして統計データからそのような傾向が見てとれるでしょうか。
社団法人日本将棋連盟の統計データによると、統計を取り始めた昭和42年度以降平成19年度まで、プロの公式棋戦の対局では先手番が毎年勝ち越すという状況が続いていました。この41年間に行われた8万局以上の対局で、先手番の勝率は0.526(1000局の対局があれば、526局は先手番の勝利)でした。仮に2000回コインを投げた時に52%以上オモテが出る確率は約3.5%ですので、それが41年間連続して起こったわけですから、統計的には明らかに先手番が有利だったと言え、「プロの将棋では先手番がやや有利」という定説ができていました。(これは数千局もの勝敗結果から得られた統計的な傾向であり、例えばあなたが同じくらいの棋力の特定のライバルと対戦するような場合には必ずしも先手有利とはなりませんので、注意が必要です。)
ところが、平成20年度には、統計を取り始めて以来初めて、わずかながら後手番が勝ち越しました。仮に先手番の「正しい」勝率が52.6%だったとすると、先手番の勝率が49.7%にまで下がる確率は約2%で、これは「50年に一度」の現象が起こったことになり、「先手番有利の定説が覆(くつがえ)ったか」と話題となりました。しかし21年度の対局ではこの傾向は続かず、再び先手番が勝ち越しました。「先手番は必ずしも有利ではない」との考えまでには至りませんでした。
近年、後手番ならではの戦法がプロ棋士の間でも盛んに行われており、その流行が一時後手番の勝ち越しにつながったとしても、その効果が長続きすることは難しいのかもしれません。