カプセルにイトカワの微粒子
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カプセルにイトカワの微粒子

11月16日 16時50分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

絶体絶命のピンチを克服し、ことし6月、地球に帰還した日本の小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルに、小惑星イトカワで採取した微粒子が入っていたことがわかりました。月よりも遠い天体に着陸し、サンプルを地球に持ち帰ったのは世界初の快挙です。

ことし6月、7年ぶりに地球に帰還した「はやぶさ」のカプセルからは、これまでに1ミリの100分の1以下の微粒子1500個が回収され、電子顕微鏡などを使って詳しい分析が行われていました。その結果、微粒子の多くは、かんらん石や輝石と呼ばれる地球にも存在する鉱物でしたが、詳しく分析したところ、地球のものに比べ鉄の割合が非常に多いことがわかりました。この割合は地球に落下したいん石と同じで、「はやぶさ」が調べたイトカワの表面にある岩石のデータとも一致しており、宇宙航空研究開発機構は、カプセルの微粒子はイトカワのものであると結論づけました。サンプルの採取をめぐっては、着陸の際のトラブルの影響で回収装置がうまく作動せず、回収できたかどうかはっきりしていませんでした。地球以外の天体からのサンプルの採取は、月の石やすい星のちりの例がありますが、月よりも遠い天体に着陸し、サンプルを持ち帰ったのは「はやぶさ」が世界で初めてです。宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎プロジェクトマネージャは「7年間のプロジェクトが完結し、長い苦労が報われた。胸がいっぱいでとても信じられない」と話していました。小惑星は、太陽系が誕生した当時の姿をとどめているとされ、サンプルを採取して分析できれば、太陽系の起源や地球誕生の手がかりが得られると期待されており、今後、国内外の研究者に微粒子が配られ、より詳しい分析が行われることになっています。