被験者No.14の逃亡


 

 
(2)


 一度、管理人室に戻って、みなみに電話してみようか。
 自分のしようとしていることを考えると、ガラにもなくブルってしまう。これ以上血圧を上げたらマズイんだけどな、本当に。
 だが、興奮する。俺んところに、こんな奇跡みたいなことが舞い込んでくるなんて本当に信じられない。
 マンションの住人たちにとんでもないイタズラをしてしまった。なのに、俺のしていることは全部“常識”で通っちまうんだ。
 こんな面白おかしい“才能”を手に入れて、まともでいられるはずがない。
 みなみ。
 父ちゃんもう、おかしくなっちまいそうだぜ。

 じれったい思いでエレベーターを降り、管理人室に急ぐ途中で、宅配便の木嶋って女がウロウロしていた。
 顔見知りの、若い配達員だ。子供もまだ小さいそうだが、旦那とは別れてるって話だ。
 ちょっと気の強そうな美人で、愛想も洒落っけもないけど、離婚歴があるせいか、妙な色気みたいなものを感じさせる女だった。
 そいつが、俺を見つけて「あっ」て声をかける。

「管理人さん。不在の荷物預かって欲しいんですけど」
「あぁ? いいけど、誰宛だい?」

 なんだよ、こんな時に仕事かよ。
 ついてないぜ、まったく。しかも、宛先の男はメンドくさいヤツだった。

「あー、この人はダメかなあ。前に変なイチャモンつけられたことあるからよ」
「そうなんですか? ふーん」
「おう、なんか他人に預けられるのが気に入らないんだとよ。あんたんとこにも苦情来てんじゃないのかい?」
「聞いてませんけどねー。特に指示もなかったですし。でも、いつ来ても不在なんですけど」
「あぁ、ここんちはそうみてぇだな」

 こういうヤツはどこにでもいるんだ。
 ピンポン鳴らしても居留守使って出てこないし、清掃活動にも住民総会にもろくに出てこないくせに、荷物が遅いだのマンションの清掃がなってないだの、文句だけは平気で言ってくる輩だ。
 自分の厚かましさがわかんないのかね。どこのお坊ちゃまのつもりなんだか。
 ただ、俺のこの“才能”を使えば、こんなやつには文句も言わせねぇけど。
 でもその前に、いつも澄ましてる木嶋のこの困った顔は、ちょっとそそるものがある。
 少しぐらいだったら…遊んでもいいよな。

「まあ、預かってやってもいいけどな。管理人の方から一言説明してやれば、コイツも文句言えないだろうし」
「いいですか? すみません、他にも回らないといけないところがあって…」
「あぁ、いいぜ。それじゃ、一応、あんたが配達してきて俺に預けたって証拠だけはくれよ。あとで説明しなきゃならないから、それくらいは必要だよな?」
「ええ、そうですね。私の印鑑でいいですか?」
「いやー、印鑑よりは拇印だろ。むしろボインかな。まあ、あんたボインって感じじゃねぇけどな、がははっ」
「え? 何言ってんですか。怒りますよ」
「何言ってんですかは、あんたの方だろ。身元証明でボインを見せるってのは、宅配業界の“常識”だろうが?」
「あっ…」

 木嶋は、俺の“常識”という言葉に、つり上がった目を丸くして顔色を変えた。

「す、すみません、私ったら、どうしてこんなことを…そうですよね、ボインですよね。ごめんなさい、私、小っちゃいんですけど……いいですか?」

 木嶋は、慌てて荷物を俺に持たせると、作業着みたいなそっけない制服のボタンを外し、中のTシャツをたくし上げ、そしてブラまであっさりと外してしまった。
 これが俺の“才能”ってやつだ。
 どんな“非常識”でも俺が言えば“常識”として通っちまうんだ。
 澄ました女だった木嶋が、俺みたいなおっさんに胸をはだけて見せている。

「…やっぱダメですか?」

 俺が黙って見とれてるのを、胸が小さいせいだと思ったのか、木嶋は不安そうに上目遣いをする。
 あぁ。まぁ確かにでかくはないが、なかなかの逸品だ。
 小ぶりだが、白くて、柔らかそうで、モチみたいな肌してる。子供に吸わせてたくせに、乳首だってきれいな色だ。
 美味そうな胸だぜ。

「いいや、十分だぜ。それじゃ、証明写真撮らせてもらうからな。この荷物持って」
「はい」

 段ボール箱を抱えて、胸を出しっぱなしにした木嶋を、俺は携帯電話で撮影する。

「もうちょい笑顔があったほうがいいな」
「え…こうですか?」
「おう、かわいいぜ」

 笑えばちょっとしたグラビアモデルさんみたいになる木嶋の、顔と胸をばっちり撮影してやる。
 調子にのって何枚も撮らせてもらった。木嶋も気分がノってきたのか、小首を傾げたポーズを取ったり、なかなかのモデルさんっぷりだった。
 なんだか、ムラムラしてくるぜ。さっき横山さんちの奥さんに抜いてもらったばかりなのにな。

「そ、それじゃ、次は室内でもうちょっと撮影しておこうか。これぐらいじゃまだ証明には“常識”的に足りないしな」
「ええ、もっと必要ですよね。でも、私、あんまり時間が…」
「大丈夫だって。配達員として“常識”の範囲で仕事してんだからよ。誰にも文句は言われねえって」
「そうですよね。それじゃ、さっさと済ませちゃいますか?」
「おう」

 俺たちは人目を伺いながら、管理人室へとシケ込んでいく。
 
「それじゃ、次はもっと証明できる写真撮るからよ。そこに箱置いて、こう、覆い被さるように四つんばいになってみな」
「こう?」

 木嶋は、胸を出したまま四つんばいになり、荷物の上におっぱいを突き出して、ネコみたいなポーズを取った。

「いいねえ。いいよ、木嶋さん。フォトジェニックだねえ」
「そんな……別に、普通に仕事してるだけだし」

 尻のあたりをくねらせて、いつもクールな仕事の顔しか見せない木嶋が、ぽうっと頬を赤くする。
 なんだい、結構ノリノリじゃねぇか。

「もっと荷物に顔を近づけてよ。ボインをこっちに見せてくれや」
「はい」

 俺の指示どおりに、ググッと顔を低くして、制服を開いて胸をこっちの方へ向ける木嶋。
 どんどん彼女は色っぽくなっていく。色気のない宅配業者の制服が、妙にアンマッチで逆にそそられる。
 
「じょ、“常識”的に考えてよ。もうちょっとお前の素肌を見せないと、証明にはならないよな」
「ええ。Tシャツ、脱いじゃったほうがいいですよね?」
「あぁ、脱げ。でもその帽子はあった方がいいな。会社名も入ってるし」
「はい」

 制服の上着を脱ぎ捨て、肩まで引き上げてた私服のTシャツを脱ぎ捨て、木嶋は「ふう」と涼しげな息を吐く。細い体だ。子供産んだことあるとは思えないくらい。
 
「あ、熱いだろ。荷物預かりの証明の仕事してると、エロい気分になっちまうらしいからな、“常識”的に」
「え…あ…でも…、んっ、これも仕事だし…」

 制服の上着もTシャツを脱ぎ捨てて、涼しくなったはずの木嶋が、さらに頬を赤くして、体を熱くしていく。
 エロい気分も“常識”だってよ。そんなわけねぇだろ、バカヤロウ。たまんねぇな。

「そうだな、エロいのも仕事だしなぁ。それじゃ、もっと写真撮らせてもらうよ」
「うん、仕事だし…よろしくお願いします」
「舌を伸ばして、箱を舐めろ。この荷物は配達員がしっかり味わいましたって証明を撮らないとな。それも“常識”だもんな?」
「んっ、はい…舐めるから、撮ってください…」

 四つんばいになった木嶋が、意外と長い舌を箱に押し当てる。俺はその表情がしっかりわかるように携帯電話を近づけ、写真を撮る。
 エロい。これはエロいわ。白い素肌に、宅配業者の帽子に作業ズボンっていう、そっけなさが逆にエロい。

「しっかり舐めてやれ。舌をチロチロって動かせ」
「こほ? こうへいい? えろ、れろれろ…」
「なあ、管理人だから、荷物の中身は確認しないとなんねえよな、“常識”的に。口でその箱を開いてくれよ。配達員が“常識”的に口で開けましたって証明も必要だから」
「んっ、はい、わかりました……テープ、外しづらいんですけど…」

 ちょっとだけ爪で剥がして、そこからは口で咥えて、俺に見せつけるようにして木嶋は荷物のテープを剥がしていく。

「な、なあ、この携帯って動画は撮れないのかな?」
「あ…うん、これ、私の前の夫と同じだから、使い方わかりますよ。よくメールチェックしてたし。これを、こうして…真ん中のボタンが録画開始ね」
「ありがとよ。それじゃ、続き頼む」

 木嶋はまるで犬のように、箱の端を咥えて、中を開いていく。俺はその様子をムービーで撮っていく。

「客に見せるからよ。『私がお口で中身を確認します』って言ってくれよ」
「んっ、はい、私が、はぁ、お口で中身を、確認します…お客様の、大切なお届け物…お口で…」

 尻をくねくねさせながら、木嶋は色っぽい顔を俺に向ける。箱を咥えてバリバリ開いたり、舐めたり、じつにいやらしい仕草で少しずつ客の荷物を勝手に広げていく。
 出てきたのは、なんだかヘンテコな人形だ。
 髪が長い緑色で、両側で縛っていて、短いスカートを穿いた女の子みてぇだが、なんでか知らないがネギなんて持っている。
 なんだこれ? 田植え人形か?

「何これ、フィギュア? うわ、なんかキモッ」

 木嶋も顔をしかめて、そんなことを呟いた。どうやら注文主は、こんな中身だから管理人に預けるのをイヤがってたようだ。
 普通は中を開けたりしないけどな、俺だって。今日は勢いでやっちまったが。

「こりゃあ怪しい荷物だな。管理人権限と配達員の責任で、徹底的に調べてやらないと。一応それが“常識”だもんな」
「そうですよね、責任ありますよね。私、配達員だし…」
「よし、それじゃ“常識”的に管理人の俺がこの場の責任者ということで、お前は俺の指示に従ってもらう。エロい気分になってたところ申し訳ないが、緊急事態だからエロい気分のまま仕事を続けてもらうぜ、“常識”的に」
「わかりました…ん…すごい、エロい気分ですけど、がんばります…」
「とりあえず、熱いだろ。一度全部脱げ。いや、全部脱いだら、ただの裸だな。ちゃんと会社の制服がわかるように、ズボンとパンツを膝の下までにして作業を続けようか」
「わかりました…でも恥ずかしいから、後ろを向いてて欲しいんですけど…」
「いや、俺は管理人だし、あとで持ち主に説明しないといけないから、ムービーで撮っておかないと」
「は、恥ずかしい…」
「こんなの宅配業者の“常識”の仕事だ。エロい気分だし、男の前で裸になるんだから、恥ずかしくて当然だ。でも仕事だから、ちゃんとやり遂げないとな」
「は、はい…ちゃんと、やります…私が脱ぐところも撮ってください」

 ズボンを脱ぎ捨てると、ジャージみてぇな、妙にぴっちりしたタイツだけになって。それを脱ぐと、色気のない下着一枚になる。
 ムービーで撮ってる俺の方を見ながら、その下着も下ろす。
 ぷりんとした良いケツだ。力仕事やってるだけあって、よく締まっている。

「前も向け。ちゃんと客に見せないとな」
「は、はい…」
「これから大事な荷物検査だ。まずは裸のまま検査員の名前と年齢と今の気分を言え」
「き、木嶋千絵です…24才です。今はとてもエロい気分でいます…」

 薄いアソコの毛が見えていることを意識して、チラチラと手で隠したい仕草を見せながら、木嶋は顔を真っ赤にして自己紹介を始める。

「この仕事は何年だ? これは検査前の“常識”的な質問だ。ちゃんとキャメラの前で答えろ」
「に、2年です…」
「旦那と離婚して始めたのか?」
「はい…親のところにいるんですけど、自分で稼がないといけませんので…」
「彼氏はいるのか?」
「いません……今のところは」
「なんだ。気になる男でもいるのか?」
「よく配達する会社の人にナンパされてて…」
「へえ、付き合う気かい?」
「でも子供のこと知らない人だから、どうしようかなって……」
「男が欲しいかい?」
「だって、もう2年もいないですし」
「飢えてんのかい?」
「…飢えてるっていうか…寂しいときもあります」
「へえ、そいつは大変だな。アソコも乾いちゃいそうかい?」
「乾くとか、そういうわけでも…んっ、そっちの質問ばっかりしないでください…今すごいエロい気分なんですから…」
「おう、悪かったな。それじゃ、じっくりと荷物検査で喜んでもらおうか。作業開始だ」
「…はい」

 帽子には会社のマーク。上半身は裸で、中途半端にずり下がった会社の作業ズボンと下着。歩きづらそうにして、荷物の上に四つんばいになる。

「いいぜ、その格好。セクシーだな」
「あん…恥ずかしい…」

 しなっとした仕草も、色っぽい。こいつ、かなりノってきている。すっかり女の目だ。
 普段はクールな宅配さんが、こんな風に変わっちまうなんて、まったく、管理人ってのも悪くない仕事だよな。

「それじゃ、その人形のビニール開けちまえ」
「はい」

 俺たちはその田植え人形のパッケージを開けて、実際に取り出してみる。
 よく見ると細かく作ってあるな、これ。どんだけ無駄な技術だよ。

「まずは舌触りだな。そこに座って、顔を舐めてみろ」
「はい…んっ、れろ、れろ…」

 人形の顔をペロペロ舐める木嶋を撮影する。なんだかバカげたことやってんなぁと自分でも思うが、なかなかエロい光景だぜ。

「肌触りもな。胸に挟んで、こっち見ろ」
「はい…こうですか?」

 俺の命令どおり、木嶋は人形を胸に挟んで、俺を見上げる。なんだか笑っちまうが、これもこれでエロい。

「そのまま、頭を舐めてみろ。舌の先っちょを使ってな」
「えろ…れろれろ…んッ…れろれろれろ…」
「お客様のお人形はとても美味しいですって言え。あとで検査結果を客に見せるとき、その方が“常識”的にウケがいいからな」
「んっ、お客様の、お人形、レロ、とっても、美味しいです…ん、びちゃ」
「もっと舐めてもいいですかって言いな」
「んっ、もっと、舐めてもいいですか…お客様のお人形、ぺろぺろして、いいですか…?」
「ひょっとして、今、すごいエロい気分かい? 正直に言いな」
「んっ…エロい、です…仕事だから、すごいエロい気分でやってます…」
「濡れてんのか? マンコ濡らして仕事してんのか?」
「はい…マンコ濡らして、ぺちゃ、仕事してます…もう、ぐちょぐちょです…」
「それじゃ、次はオナニー検査だ。その人形をアソコに擦りつけろ」
「はい…っ」

 木嶋は、足を開いてMの形にすると、人形を股間に擦り始めた。すぐに色っぽい声を上げ、白い喉を反らしておっぱいをプルプルンと震わせる。

「あぁんッ! あん! あん! ひっ、あん! あぁん!」

 食い込むくらいにグリグリと、強く押しつけて木嶋はヒィヒィ声を上げる。
 澄ました顔して、大胆なオナニーだな。こりゃあ相当溜まってるに違いないぜ。

「気持ちいいか? ちゃんと客に報告しろ」
「はいっ! あっ、気持ち、気持ちいいです! お客様のお人形、とっても気持ちいい!」
「もっと強く擦りつけろ。その方が気持ちいいだろ?」
「いいの? お客様のお人形、私のアソコにもっと擦りつけていいんですか?」
「あぁ、たっぷり擦って、中にも入れてやんな」
「はい!」

 木嶋は人形を直接マンコに擦りつけて、ヒィヒィよがり始めた。女の匂いとアソコの音が、どんどん大きくなっていく。
 
「どうだい? 気持ちいいかい?」
「いいっ! すごくいい!」
「そういや、アンタ次の仕事あるとか言ってたよな。時間は大丈夫なのかい?」
「いいんです! こっちの方が、大事な仕事だから! 大事な、気持ちいい仕事、途中でやめたくない! いい! いいぃ!」

 すげぇ声を出しやがる。
 いやらしいぜ。ホント、女ってのはエッチのとき変わるな。木嶋がこんなにエロい女だったとは、おじさんも知らなかったぜ。
 さっき横山さんに抜いてもらったばかりなのに……俺まで、こんなになっちまった。

「き、木嶋さんよ。ちょっとだけ、あんたの具合も確かめさせてもらうぜ。荷物検査する配達員を検査するのも、管理人の大切で“常識”的な仕事だからな」
「はいっ、検査、して! 私がちゃんと仕事してるか、おじさんが、検査してぇ!」
「それじゃ、お言葉に甘えまして…っと」
「あぁんッ! そ、そんな格好っ」

 人形を、ちょっと寄っこさせてもらって、ズボンをひっかけたままの膝を持ち上げる。
 よく濡れたピンク色だ。美味そうなマンコだ。
 木嶋さん、すまねぇな。久々のオトコがこんなおっさんでよ。
 俺は照準を定めて、宅配の女の中に入っていく。

「よっと」
「あぁぁん!」
「んっ、こりゃ、きつい…」

 いい具合だ。子供産んだわりに、なかなかじゃないか。
 普段から力仕事してるおかげだな。ほどよい締めつけで気持ちいいぜ。

「ほりゃっ、ほりゃっ」
「あぁ! あぁん! いいっ、いいです、おじさぁん!」

 久しぶりに入る女の中は、ぐにゅぐにゅとして、熱くて、狭くて、懐かしくて、最高だ。まるで実家の風呂みてぇだ。
 女の肌は本当に気持ちいい。しかも顔見知りの女を騙して抱いてるってんだから、楽しく仕方ない。

「人形を咥えろ。頭からぱっくり咥えてしゃぶるんだ」
「ふぁい! もぐ、んっ、んんんっ、べろ、くちゅ、あぁっ、むー! あぁ、んー!」
「アンタのそのエロい顔、客にも見せてやるからな。こっち見て、にっこり笑いな」
「あぁん! んふふっ、んーっ、あぁ、むっ、ふふっ、むーっ!」

 人形を頭から飲み込んで、無理やりな笑顔とよがり顔を交互に見せる木嶋を、俺は携帯電話で撮影してやった。数枚撮って、ムービーに切り替えた。

「私はお客様の大切な人形をしゃぶりながら、管理人さんとセックスしてるいやらしい配達員ですって言え」
「わ。わらひは、お、おひゃくさまの、大切なキモフィギュア、しゃぶりながらセックスしてまひゅ! 管理人さんと、セックスして、気持ちいい、いやらしい配達員ですぅ!」

 木嶋は人形をしゃぶったり離したりしながら、だらしなくヨダレを垂らして叫ぶ。
 すげえ興奮する。だが、ダメだ。みなみと会う前に2発も出しちゃったら、俺は朽ち果てちまう。
 俺は木嶋の中から自分のを抜いた。
「あぁん!」って、木嶋は残念そうな悲鳴を上げた。

「あ…あとはその人形でやりな。最後まで見ててやるからよ」

 俺はティッシュでチンポを拭いて、木嶋には1人でオナニーをやらせた。
 木嶋は人形を頭から突っ込んで、アンアンと気持ちよさそうな声を出す。

「あん! あぁあん! ああぁぁあん!」

 ズポズポ、激しく出入りする人形の頭は、もう木嶋のエロ液でビショビショになって衣装までぐっしょりだ。

「どれ、貸しな。俺がやってやるからよ」
「ふぇ…? あっ、あっ、おじさん、あっ、あぁん!」

 俺は人形を取り上げて、木嶋の代わりにアソコに突っ込んでやる。ぐりぐり中で掻き回して、ついでに乳首もペロペロ舐めてやる。

「どうだい? 気持ちいいか?」
「いいっ! おじさん、いい! それ、すごい、いいよぉ!」
「言ってみな。お客さんの人形でアソコ掻き回されて気持ちいいって」
「あぁ! お客様の、んんっ、人形で、アソコ、ぐちょぐちょに掻き回されて、気持ちいい!」
「いいねえ。その調子で続けな」
「は、はいっ、お客様のお人形、私の、アソコの中で回転して、乳首も、チュウチュウ吸われて、私、このお仕事大好き! 気持ちいい仕事好き!」
「アソコもすげぇ濡れてるしな」
「濡れてます! こんなに濡れたの、久しぶりです、本当に! 男、欲しい! おじさん、もっと抱いてぇ!」
「悪いなあ。これから娘と会うんでな。木嶋さんは人形でイってくれや」
「あぁ、そんな! イク! 私、お客様のお荷物でイク! こんな、キモい人形でアソコかき回されて、イク、イク! ごめんなさい、イキます! もう私イキます!」
「おう、イキなよ。ここか? ここがいいのか? ホラ、ホラ」
「あぁぁッ! イクイク、イクッ! 来ちゃうよぉ!」

 配達員が、仕事中にオナニーしてイっちまう。
 すごいことだぜ、これは。まるで先々月に借りたエロアニメ『痴女の宅配便〜私は便器です〜』みてぇじゃねぇか。

「イック〜〜ッ!!」

 木嶋は、思いっきり体を仰け反らせて、大量の汁を吹き出しながら絶頂した。ビクン、ビクンて陸に上がった魚みてぇだ。
 久しぶりに、男の前でイけて良かったな、木嶋さんよ。
 でもまあ、それはいいんだが、その拍子に木嶋のオマンコの中で、ベキって変な音がしたんだが。

「……木嶋、おい。起きろ、木嶋さん」
「ふぁ…え、え?」
「見てみろよ、オイ。すごいマン圧だな、あんた」

 ぼんやりした目を泳がせる木嶋の前に、俺は首のへし折れた人形を見せた。
 木嶋は、まだ興奮覚めやらぬ赤い顔を、困ったようにしかめた。

「えー…どうしよう。お客様の大切なお荷物なのに」
「まあ、しょうがねぇだろ。“常識”的に考えて、いい年してお人形さんを買う男の方が悪いんだからな」
「そうですよね。お客様が悪いですよね」
「でもまあ、あとで客には俺の方から説明しなきゃなんないからよ。これ持って、にっこり笑って謝っておけ。俺が証明ムービー撮ってやるから。そんで今日はこれでお終いだ」
「はーい」

 木嶋は俺の指示どおり、ズボンを膝まで下げて濡れたアソコを出したまま、人形の首と胴体を持った手でピースして、にっこり笑った。

「お客様の大切なフィギュア、私のマンコでへし折っちゃいましたぁ。ごめんなさーいっ」

 ……まったく、面白い“才能”だぜ。
 この《世間知らずの常識(selfish rule)》とかいうやつは。









「それじゃあ……まずは一番どうでもいい疑問から聞くわ。その、《世間知らずの常識(selfish rule)》とかいう名前は、ひょっとしてあなたが考えたの?」
「そうだ。じつはさっきの《禁じられない遊び(playing alone)》は、その子が自分でつけたんだ。カッコイイと思ったから、次からは俺も才能に名前をつけていこうと思った」
「あなた、中学生男子の発想に影響受けちゃってんの?」
「良いアイディアを採用するのに、本人の経歴も年齢も関係ない」
「素晴らしいわ。是非あなたには私の上司になって欲しいわね。それで、その男はその後どうなったの?」
「さあ。おそらくAVの真似事でもして喜んでるんじゃないかな。どうでもいいことだ」

 ひょっとして、世の女性を代表してコイツを射殺してこいという意味で、上司は私を派遣したんだろうか。
 だとしたら悪くはない仕事だったんだけど。

「他には?」
「いない。その2人だけだ」
「本当でしょうね?」
「あぁ。メシをおごってもらった後、土産も包んでもらって、彼と別れてホテルに戻った。次の日のことは、お前たちもよく知ってるだろう」

 確かに、その日の昼過ぎにはターゲットを発見し、泳がせていた。目的を知りたかったから一晩様子を見たけど、特に何をするようでもなかったから、捕獲した。

「尾行に気づいてたの?」
「なんとなく」

 気づいていたなら、何もないというのも本当だろう。
 彼は本当に何もしていなかった。昼すぎから夜になって朝が来るまで河原で過ごして、たまにパックに入った鳥の串料理を摘んでいるだけだった。
 まるで捕まるのを待っているだけのように見えた。肩を叩けば、そのまま付いてきそうなくらい。
 もちろん、そんなことするはずもなく、観察終了と同時に麻酔を使って眠らせてから、ぐるぐるに拘束して運んできたけど。

 さて、彼の接触したのが以上の2名だけというのが真実と仮定すれば、日本の被害はたいしたものではなく、本国に影響もないと思える。よって2人は放置していて構わないと思われるが、本国はそれでも私に緊急の処理を命じるだろうか。
 それはないな。
 まず、彼の移送を最優先にしてくるはず。大使館へはすでに協力を取り付けている。吐かせるものを吐かせたら、彼をもう一度眠らせて引き渡すだけだ。
 それでは、肝心の彼の目的は何か? そこを明確にしないうちは、この尋問は終われない。
 適当な人材を選んで、何かの代償に“才能”を与えるのが彼の趣味だったとしても、わざわざ日本にまで来てすることとは思えない。
 何らかの意味がそこにあるはずだ。そして、2人だけで彼が行動を止めたというのが本当なら、それもまら明らかな目的のために選定したという証拠だ。

「───つまり、その2人で“あなたの準備は完了した”ということね?」

 ターゲットは、押し黙る。
 私の質問を沈黙で答えるということが、どれだけハイリスクな行為なのか、もう一度教えてやらなければならないのだろうか。

「そろそろ喋ってくれる? あなたは、その2人に何をやらせる気なの? あなたの企みは何?」

 私はアイスピックをカウンターテーブルに突き刺した。これにピアノ線でも巻いてやれば、素敵な拷問道具の出来あがりだ。

「氷みたいに口を閉ざしたいっていうんなら、このグラスに収まるまで削ってあげてもいいんだけど」

 次の定時報告まであと2時間17分。それまでにはだいたいの片を付けて、32時間ぶりのベッドで休みたいところだ。
 だが、焦りは禁物。この男の“才能”が不可思議なものであり、危険であることには変わりはない。
 一度、廊下に出て部下に直接指示をする。警戒対象に“常識”というワードを追加。“非常識”に対応せよ。
 それでも、まだ安心はできない。他のチームにも要請し、ホテル周りを警戒してもらった。これだけ動けば少々目立つかもしれないが、あとほんの数時間で終了する。今回のスタッフには総動員をかける。
 さて、尋問も大詰めだ。
 彼のバカげた逃避行もこれで終わり。私はアイスピックの先端を舐める。血によく似た味が、サディスティックな気持ちを呼び起こしてくれる。

「郁郎……ラストダンスの時間よ」











 朝、今日は学校がある。
 いつもならつぐみちゃんに会えるのが楽しみなウィークデイ。
 でも、今日はそれよりもスペシャルな1日になる。
 僕のこの“才能”で。

「おはよう!」
「あ、悠太くん、おはよー」

 つぐみちゃん、やっぱり可愛いや。今日はいろいろイタズラしちゃうけどゴメンね。
 さっそく僕は、昨日思いついた“遊び”を実行するための準備をする。
 
「教科書忘れてきちゃったんだ。見せてもらっていい?」
「いいよ」

 僕とつぐみちゃんは机をくっつけて、2人で教科書を広げる。先生が入ってきたところで、僕はつぐみちゃんに耳打ちする。

「ねえ、“文房具ごっこ”しようよ」
「え、いいけど…それ、なにするの?」
「つぐみちゃんが文房具で、僕がそれを使う人。じゃあ、授業が始まるから、机の上に乗って」
「う、うん。こうでいいの?」

 僕の唐突な誘いを、つぐみちゃんは断らない。僕のはそういう“才能”だから。誰も僕の誘いを断れない。
 2つくっつけた机の上に、つぐみちゃんがちょこんと座る。先生に背中を向けた格好だけど、彼女は僕と“文房具ごっこ”してるだけだし、“文房具”が机に乗っているんだから、先生だって何も言わない。
 まさに、誰にも禁じられない遊びなんだ。

「それじゃ、まずつぐみちゃんは“学習ノート”だよ。僕の前に来て」
「う、うん」

 戸惑うように、つぐみちゃんは僕の真正面にお尻を動かして移動する。そして、膝を少し広げて僕をまたぎ、細い足と短いスカートを僕の前にさらす。
 僕は、ペンケースから水色の蛍光ペンを出して、“ノート”を広げる。

「やっ、やん」
「ダメだよ。つぐみちゃんはノートなんだから、じっとしてないと書けないよ」
「うん…でも、なんか恥ずかしい」
「大丈夫だって。誰も僕たちのことなんて気にしてないし。ただの“ごっこ遊び”だから。ね?」
「…う、うん…ただの遊びだもんね」

 僕の反対隣りの茜ちゃんも、後ろの席の啓くんも前の席の賢治くんも、他の生徒も先生だって、僕たちのことは誰も気にしていない。
 僕がこれから何をしようとも、他の人はただの遊びだと思っているし、先生だって僕たちはノートを取っているだけなんだから、何も悪いことなんてしていないと思っている。
 本当は、すっごく悪いこと始めようとしてるのにね。

「それじゃ、“ノート”広げるね」
「…うん…」

 僕はつぐみちゃんの足を広げていく。すべすべした手触りは、姉ちゃんよりもキメが細かい。そして、細くて軽い。
 姉ちゃんよりも、もっと幼い躰なんだ。なんだか“イタズラしてる”って感じがすごくする。同級生の女の子に、大好きなつぐみちゃんに、僕はこれからイタズラする。
 クラスのみんなのいる前で!

「ね、だめ…だめ、悠太くん。それ以上は広がんないよ」
「んー、しょうがないな。それじゃ、黒板を書き写さなきゃ」

 つぐみちゃんは、スカートの端を手で掴んで、めいっぱいに広げた足をプルプルさせる。もうちょっとでパンツが見えそうで、なんだかすごく興奮する。
 僕はさっそく、その白い太ももに蛍光ペンを走らせる。

「ひゃぁん!」

 つぐみちゃんは、大きな声を出して足を閉じた。僕を跨いでたから、閉じるためには両膝を高く持ち上げなきゃなんなくて、その拍子にパンツが見えてしまっていた。ピンクだ。

「こら、つぐみー。授業中に大きな声だすなー」
「す、すみませんっ」

 つぐみちゃんは、先生に怒られて、困ったような顔をする。
 僕はつぐみちゃんに「シー」ってやって、声を潜める。

「だめだよ、大きな声だしたりしたら」
「で、でもぉ」
「授業中なんだから、ちゃんとノートになってくんないと。ね?」
「うん…」

 なんだかイジメてるみたいで、かわいそうかな。でも、恥ずかしそうにしてるつぐみちゃん、すごく可愛いんだ。
 だから…いじわるしたくなっちゃう。

「えっと、おうぎ形の面積は…」
「ひゃ、ひゃ…やん」
「動かないでよ、つぐみちゃん。うまく図が書けない」
「でも、んっ、ひゃぁ…んっ、んんっ」

 先っちょが痛くないようにと蛍光ペンを使ってるけど、それが余計にくすぐったいみたいで、つぐみちゃんは口を両手で押さえて、声が出ないように必死で我慢している。
 でも、ピクンピクンて足が跳ねるから、上手く板書できなくて困るんだけど。

「そうだ、ここにおうぎ形あるよね?」
「ンンーッ!?」

 僕はつぐみちゃんのスカートをめくる。ピンク色の下着の、お股のあたりの布が下から見るとおうぎ形なのは、昨日姉ちゃんとした“夜のお店ごっこ”で予習済みだった。

「ここに垂線を引いて…っと」
「や、やぁん!」

 おうぎ形の真ん中に定規を当てて、下から上に線を引くと、つぐみちゃんがビクビクンって仰け反って、前の席の賢治くんにゴチンと頭を当てた。

「いってぇな、つぐみ! 気をつけろよ」
「ゴ、ゴメン」
「つぐみちゃん、横になろっか?」
「うん…こう?」

 今度はごろりと仰向けにして、僕の前にパンツのあたりが来るようにして、足は隣の茜ちゃんの方に、頭は机の上にして、ちょっとくらい暴れてもぶつからないようにした。

「書く場所なくなったから、“ノート”めくるね」
「う…うん」

 スカートのホックを外して、脱がせてしまう。ブラウスのボタンを外して、パンツと同じ色のブラも丸出しにしてしまう。
 つぐみちゃんは、胸の前で手を丸めて、恥ずかしそうに僕を見上げる。大きな瞳が、恥ずかしさで濡れている。
 可愛い。つぐみちゃん、すごく可愛い。

「…僕の“ノート”だから、名前書いておくね」
「うん…」

 僕はつぐみちゃんのおへその回りに“悠太”って書いた。くすぐったそうに、つぐみちゃんは「ひゃん」って肩をすぼめて笑う。僕はつぐみちゃんの躰に自分の名前を書くってことに興奮して、いっぱい書いた。すっかりつぐみちゃんは“悠太”だらけだ。
 
「ん、はぁ、はぁ…ダメだよ、悠太くん…イタズラ書きばっかしないで、んっ、授業のノート取らなきゃ…」
「…あ、そうだね」

 つぐみちゃんの言うとおりだ。すっかり夢中になってしまった。でも、つぐみちゃんの躰も僕の名前だらけで、書ける場所も減ってしまった。

「じゃあ、ここもめくっちゃうね?」
「ええっ? そ、そこはダメだよぅ」

 僕がパンツに手をかけると、つぐみちゃんは顔を真っ赤にしてイヤイヤする。

「でも、もう書ける場所もなくなってきたし」

 本当はウェットティッシュ持ってきてるけど。

「そ、そうだけど…でも」
「脱がすよ」
「や、悠太くん、ダメ、えっち、だめってば…」

 僕はつぐみちゃんのパンツをするする脱がしていく。
 興奮する。すごい。僕の“才能”はやっぱりすごい。

「やぁ…恥ずかしい…」

 つぐみちゃんのそこは、姉ちゃんのと違って何も生えてなかった。割れ目があるだけだった。
 ぷっくり膨らんだそこは、ちょっとだけ赤くて、ちょっとだけ濡れて光ってる。
 僕、つぐみちゃんのアソコ見ちゃった。彼女のパンツ脱がしちゃった。僕のこの手で、つぐみちゃんのパンツを。

「ね、ねえ、このパンツ、もらっていい?」
「ええー、なんで?」
「だって“ノート”がパンツ穿いてるのって変だよね? つぐみちゃん、“ノート”なのに」
「あ、そ、そっか。パンツなくていいのか」

 おかしな理屈だけど、これは“遊び”だから通じる。僕たちの“遊び”のルールを作るのは僕なんだ。

「でも、パンツないと恥ずかしい…」
「じゃあ、僕が書いてあげる」
「きゃっ、やっ、だめ、くすぐった…あんっ」

 僕はつぐみちゃんのアソコの上に“悠太”って白抜きで書いて、そのまわりを蛍光水色で塗りつぶしてパンツみたいにした。これでよし。つぐみちゃんのパンツは僕がもらった。つぐみちゃんにはかわいそうだけど、今日一日、僕の手書きパンツで過ごしてもらおう。

「ね、つぐみちゃんは“学習ノート”だから、僕の質問に答えを書いてね」
「え?」

 次の遊びを思いついた。僕の“才能”は留まることを知らない。僕はつぐみちゃんにピンク色の蛍光ペンを握らせる。

「でも、わたし頭悪いから答えわかんないよ」
「ううん、“ごっこ”だから授業のことじゃないよ。つぐみちゃんのことを質問するから、正直に答えを書いて。それが“学習ノート遊び”だよ。先生にバレないように、質問も答えもつぐみちゃんの躰に書くこと」
「うん、わかった」

 つぐみちゃんは“ノート”だ。僕たちは机に向かって勉強しているだけだ。そのポーズだけ守っていれば、先生も周りのみんなも僕たちのことを気にしない。
 たとえ、ほとんど裸のつぐみちゃんが僕の机の上でくるくるポーズを変えていても。

“好きな人はいる?”
 僕はつぐみちゃんのお腹に書く。
“いないよ”
 つぐみちゃんは自分のおへその近くに答えを書く。
“どういう人が好き?”
 僕は脇腹のあたりに書く。つぐみちゃんはくすぐったそうに身をよじって、笑いそうなのを我慢する。
“面白くて優しい人がいいかな”
 僕はつぐみちゃんの躰を裏返して、背中に文字を書く。
“キスってしたことある?”
 つぐみちゃんは、躰をねじってなんとか僕の質問を読むと、あきれたように笑って、
“あるわけないじゃん!”
 と太ももに大きめに書く。
 僕はまたつぐみちゃんをひっくり返す。「後ろは読めないってば」と小さな声でつぐみちゃんは笑う。
 次にまたお尻の読みづらいところに僕は書いた。
“僕と遊ぶの楽しい?”

「またそんなところに書いてー」

 つぐみちゃんは、読むのに苦労する。僕にお尻を向けたまま躰をねじって、なんだかセクシーな格好になってる。
 それでも僕は穴の近くまで書いちゃったから、「読めないよー」って笑いながら、お尻の肉を引っ張って伸ばす。お尻の穴がちょっと広がって僕に見えてる。すごくやらしい。なのに、つぐみちゃんは字を読むのに夢中で気づいてないみたい。

「あ、わかった」

 僕がたっぷりつぐみちゃんのお尻の穴の中まで鑑賞したころ、ようやくつぐみちゃんは僕の質問を読み取って、無理な格好で伸びた躰を今度は子猫みたいに丸めて、手の平に何かを書いた。
 そして、僕の前で広げる。

“楽しいよ!”

 小さな手の平いっぱいに、可愛いネコのイラストまでつけてくれた。
 僕たちは、小さな声で笑い合う。
 真面目に授業中のみんなと、裸ん坊のつぐみちゃんと、“ごっこ遊び”マイスターの僕。
 なんだかすごく楽しい。面白い。もっともっと遊びたい。

「書くとこ、だいぶなくなってきたね」
「うん、そうだね」

 つぐみちゃんの躰はもういっぱいだ。これじゃせっかく盛り上がってきた“ノート遊び”ができない。
 僕は隣の茜ちゃんをチラと見た。真面目な茜ちゃんは、隣りで遊んでるこっそり僕たちのことなんて見もしないで、黒板の文字をせっせとノートに書き写している。たまにノート見せてもらったりすることあるけど、きれいな字を書く子だった。
 長い髪を両側で結んで、薄いメガネをかけて、地味な感じ。でも顔は可愛い方だ。メガネを拭いてるときとか、たまに見せる素顔に驚く男子は多い。でももちろん、一番はつぐみちゃんだけどね。

「ね、茜ちゃんも“文房具ごっこ”しようよ。ちょっと“ノート”が足りなくて困ってるんだ。いいよね?」」
「え…? い、いいけど」

 僕に誘われた茜ちゃんは断れない。戸惑いながらもOKしてくれる。

「それじゃ、茜ちゃんもつぐみちゃんと同じ格好になって」
「え、でも、それ、ほとんど裸…ッ、恥ずかしいよ」
「わたしだって恥ずかしいんだよー。茜ちゃんも同じじゃなきゃ不公平だよ」
「そうだよ、不公平だよ。茜ちゃんも同じ格好じゃないと、遊んであげない」
「うぅ…わかったよぉ」

 僕に“遊び”に誘われたら相手は断れない。じつはそのとき、相手にしてみても“遊びたい”に変わってるんだ。
 だから、ちょっとぐらいの僕のわがままは聞いてしまう。昨日、姉ちゃんを“ネコ耳メイドさんごっこ”に誘ったときに判明したことだ。

「…恥ずかしいなぁ…」

 茜ちゃんはまずパンツから脱いだ。そして、セーラー服派の茜ちゃんは上着を全部脱いじゃって、白いブラを僕たちに見せた。
 つぐみちゃんより大きな胸だ。
 そして、スルスルってすばやくスカートを脱ぐと、アソコを手で隠して僕の机の上に上がった。
 つぐみちゃんと、茜ちゃんと、ちょうど向かい合うみたいに、机を跨いで座っている。僕に水色パンツを書かれたつぐみちゃんは、もうこの格好にも慣れちゃったみたいで、足を広げてアソコも丸見えにしてるけど、茜ちゃんはまだ両手で隠したままだ。

「“ノート”なんだから、書くスペースは隠しちゃダメだよ」
「う、うん」

 茜ちゃんは両手を開く。明らかにつぐみちゃんと違うソコに、僕はゴクリと息を呑み、つぐみちゃんは無邪気にも「あ、もう生えてるんだ」と思ったことをそのまま口に出していた。

「つ、つぐみちゃん、言っちゃダメ!」

 茜ちゃんは顔を真っ赤にして、小さい声で叫ぶ。「ごめんね」と、つぐみちゃんは笑って誤魔化す。
 胸も大きいし、茜ちゃんはつぐみちゃんより少し成長が早いみたいだ。同い年でも微妙に異なる2人の美少女の躰に、僕はドキドキしてしまう。

「そ、それじゃ、茜ちゃんも僕たちの“ノート”だからね。大きな声出しちゃダメだよ」
「はぁい…」

 僕はつぐみちゃんの太ももに次の質問を書く。
“休みの日とか何してるの?”
 つぐみちゃんは茜ちゃんのお腹に答えを書く。
“友だちと遊んで───”
 でも、途中で茜ちゃんが「ひゃうん」と変な声を出して、机をガタンと揺らしてしまう。

「そこ、うるさいぞー」
「すみませーん」

 先生に怒られたから、代表して僕が謝っておく。賢治くんや啓くんもクスクス笑ってる。でも、彼らは僕らが授業中におしゃべりして怒られたくらいにしか思ってないみたいで、真っ赤な顔になってる茜ちゃんも、両手で笑っちゃってる口を隠してるつぐみちゃんもほとんど裸だってこと、不思議に思ってないみたいだ。
 僕たち、すごくえっちなことして遊んでるのに。

「茜ちゃん、気をつけて」
「だ、だって私、くすぐったいのに弱いもん…」
「我慢、我慢。すぐ慣れるから」
「ううー」

“友だちと遊んでたり、おばあちゃん家の犬を散歩させたりしてるよ”
“平日の夜とかは?”
“テレビ観るか音楽聞く”
“どんな音楽きくの?”
“カナとかミリヤ。あと翔太くんも好き”
“マンガとかは好き?”
“たまにお兄ちゃんのマンガ読むよ。ナルトとかハガレンとか”
“つぐみちゃんと茜ちゃんのどっちがおっぱい大きいんだろうか?”
“↑見りゃわかるじゃん!”

 最後のは、茜ちゃんのブラのすぐ下に大きく書いてた。僕とつぐみちゃんは顔を見合わせてクスクス笑う。

「んっ、はっ…ぁ…ん、んっ」

 茜ちゃんは、躰をプルプルさせて、唇を噛んでいる。そして、僕のペンを欲しそうな仕草を見せていた。
 僕は茜ちゃんにペンを貸してあげた。すると、茜ちゃんはつぐみちゃんの肘の裏に、すらすらと達筆で質問を書いてきた。つぐみちゃんはくすぐったそうに、目を細めている。

“いつもこんなことして遊んでるの?”
“ううん、今日が初めてだよ”
 つぐみちゃんが、茜ちゃんの太ももに答えを書く。
“なんだか、えっちなことしてるね”
“そうだよね、ドキドキする”
“先生にバレないかな?”
“大丈夫だよ。わたしたち、ノート回してるだけだし”
“私、そういうのもあまりしたことない”
“茜ちゃん、いつも勉強まじめだもんね”
“そんなことないけど。そういう風に見えるのかな”
“いいじゃん。わたしよりずっと頭いいし、うらやましい”
“私は、いつも楽しそうなつぐみちゃんがうらやましい”
“こんど、いっしょにあそぶ?”
“いいの?”
“いいよ。わたしのともだちも、茜ちゃんと話してみたいっていってたよ”
“うそだ→”
“↑ほんとだってば”

 女子同士のやりとりが始まって、なんだか僕だけ疎外されてる気分だ。僕は後ろの席の啓くんを振り返る。

「啓くん、茶色の蛍光ペン貸してくれる?」
「おう、いいぜ」

 さすが『七色の蛍光ペンを持ち歩く男』と言われた啓くんだ。僕はマニアックな色の蛍光ペンのキャップを開き、2人のやりとりに割ってはいる。

“それじゃ、今度は『大人のくすぐりっこ』しようよ”
“なにそれー”
“えっちな予感がします”
“ルールは簡単。僕たちは『文房具ごっこ』を続けているフリをして、大人の遊びをします。1、君たちは蛍光ペンでなぞられると、大人の女の人みたいにすっごく気持ちよくて、感じちゃいます。2、でも声を出したら先生に怒られますので注意です。3、君たちはお互いを、僕は2人をなぞりますから、先に声を出しちゃった方が負けです。給食のプリンを勝った方にあげてください”

 僕が茜ちゃんのお腹から太ももにかけてルールを箇条書きにすると、2人ともコクンと頷いた。
“やっぱりえっちな遊びでした”
“男子ってそういうの好きだよね”
“いいからゲーム開始だよ”

「んっ、あっ…ふっ」
「ひゃぁ、あん…うん…あっ、あん」

 みんなで互いの躰にぐにゃぐにゃと線を引いて遊ぶ。つぐみちゃんも茜ちゃんも可愛い声を時々こぼしながら、必死で我慢して躰をなぞり合っている。周りから見れば僕たちは授業のノートを取っているだけのように、あるいは誰でもやるようにこっそりノート手紙を回しているだけのようにしか見えないから、咎められることもない。
 僕たち、こんなにエッチなことをしてるのに。
 僕はつぐみちゃんのお尻にグルグルとうず巻きを書く。つぐみちゃんがビクンビクンってお尻を跳ねさせて、ほっぺた膨らませて僕を見る。そして、茜ちゃんのお尻に同じようなイタズラをして、彼女のえっちな反応を見て僕と一緒に笑う。
 怒った茜ちゃんは、つぐみちゃんの鎖骨のあたりをこちょこちょとペンでくすぐる。つぐみちゃんは、一瞬色っぽい顔をして、口を「あ」の形にして震わせた。
 その表情がエロくて、僕もそことか背中とか重点的に責める。責めるついでにおっぱいとか触っちゃってるけど、もう僕ら3人とも入り乱れて遊んでるから、どさくさに結構触っても、2人ともそれどころじゃないから怒られない。
 アソコとかも触った。つぐみちゃんのソコは、僕の指が触れるとクチュっと音を立てた。そのときばかりは、ちょっとつぐみちゃんに睨まれた。
 とぼけて茜ちゃんのも触ったら、すごい濡れてて逆に僕が引いてしまった。茜ちゃんは真っ赤になって、なんだかかわいそうだった。
 でも止められない。僕たちは互いの肌に落書きしながら、感じてる躰を擦り合い、えっちな遊びに興じていく。

「ね、ねぇ、わたしの、色出なくなってきた」
「私のも…」

 2人して、色が出ないと不平を言いながら、蛍光ペンの先っちょをペロペロなめる。
 まるで“ネコ耳メイドさんはお腹ペコペコごっこ”したときの姉ちゃんみたいだ。
 その仕草もかなりエロいと思った僕は、もっとエロい遊びを思いついてしまった。

「それじゃ、2人とも今度は“補充カートリッジ”になってよ」
「?」
「あるでしょ。蛍光ペンの補充液みたいの。切れたらそれで補充するんだ。エコ商品だから、そういうのあるの」
「ふぅん…エコかあ。大事だよね」
「いいけど、どうすればいいの?」
「机の上にぺたんてなって、お尻こっちに向けて」
「…えっちな予感がします」

 そのとおり、えっちな遊びだ。でも、2つ並んだ机の上に、無造作に体を預けてお尻を僕の方に向ける落書きだらけの2人の裸体は、えっちどころじゃなかった。
 今度の美術の課題にふさわしいくらい、いやらしくて、きれいな光景だった。

「そ、それじゃ、じっとしててね。あ、蛍光ペンでなぞられると気持ちいいルールは、まだ続行だからね」
「えー」
「文句言わないの。2人とも今は僕の“文房具”なんだから。それじゃ…いくよ」

 僕は、つぐみちゃんと茜ちゃんのお尻の穴に、それぞれ蛍光ペンを差し込んだ。

「ングぅ!?」
「ひっ!」

 2人とも、必死で声を我慢して、ビクンと体を跳ねさせた。そして、2人の躰は小刻みに震えている。にも関わらず、僕はさらに一段深く、2人のお尻の穴に蛍光ペンを押し込んだ。

「あっ、あッ!」
「んん〜ッ!」

 ここはじつは感じるスポットだということを、2人は知っていただろうか。
 僕は昨日、姉ちゃんと“ネコ耳メイドさんはご主人様のホットミルクが欲しくてはしたないおねだりをしてしまうごっこ”をしたときに、実体験として発見したばかりの事実なんだけど。

「だ…だめぇ。悠太くん、そこ、だめ…」
「これ、きつい…私、だめかも…」

 よぅし、効いてる。かなり有効。2人とも、すごくいい表情してるよ、今。
 僕はスポスポとつぐみちゃんと茜ちゃんのお尻の中を往復する。つぐみちゃんは机の端を思いっきり握って声を我慢している。茜ちゃんは、ひっくり返って落ちそうなくらいお尻を高くあげて、なんとか逃げようとしている。
 逃がすはずないけどね。僕はますますスピードを上げる。

「ッ…ッ、ぁ…ッ、ひ、…ッ、あっ」
「ンンッ…んッ…んンーッ…ンッ、ンッ」

 茜ちゃんのペンはもう半分くらい埋まっている。つぐみちゃんのはもうちょっと狭いのか、3分の1くらいまでしか入っていかない。
 僕は2人の間に身を乗り出して、表情をのぞき見た。つぐみちゃんはヨダレを垂らして半目になっている。茜ちゃんも同じくらいエロい顔してる。
 2本のペンで彼女たちを自在に操る僕は、まるで飛行機のパイロットだ。

「上昇しまーす」
「あんっ!?」
「ン、ンン〜!」
「下降しまーす」
「ひああッ!?」
「ゆ、悠太くぅん!」

 すごくえっちだ。そして楽しい。まるで2人同時にセックスしてるみたいだ。
 僕はガチガチにオチンチンを硬くして、2人の美少女へのイタズラに夢中になっていく。中でペン先をえぐるように回してみる。
 つぐみちゃんは声にならない悲鳴を上げた。茜ちゃんはイッちゃった表情のまま、人形みたいに首をガクガクさせた。
 僕はもう、我慢できなくなってきた。
 
「茜ちゃん……“セックスごっこ”しよ! もう入れるね!」
「…あ…はぁ…」

 返事もできなくなってる茜ちゃんの中に、強引に僕のを入れてしまう。僕も焦っていたから、了解を待っているヒマもなかった。とにかく、つぐみちゃんは後でゆっくりって思ってたから、目の前の茜ちゃんの濡れたアソコに、思いっきり突っ込んだ。
 ぶち、ぶちって、何かを裂いていくような感触。すごく硬くて、狭かった。

「ンンンン〜ッ!?」

 茜ちゃんが仰け反って、ビクーンって躰を痙攣させた。彼女の中はギュウギュウきつい。姉ちゃんのより、僕のにべったり張りついてくる感じがして、よかった。

「痛い…痛いよぉ…」

 茜ちゃんがポロポロと涙を流す。僕は罪悪感と、そしてこらえようのない快感で、頭が蕩けそうだった。

「茜ちゃん、これは“セックスごっこ”だよ。ただの遊びで、本物じゃない。痛いのもすぐ消えて、大人がするみたいに気持ち良くなるよ。“文房具”のフリして、おとなしくして」
「あっ、やっ、痛い、痛い…ッ」

 僕は茜ちゃんの中を往復する。彼女の中から、とろりとした液体と赤い血が混じってにじみ出てくる。
 僕は沸騰しそうな頭でその光景に興奮しながら、腰の動きをゆっくりと、確実に速めていく。

「ッ…あぁ…ッ、いたい…でも…あぁ」
「気持ちいい? 気持ち良くなってきた? でも、大きな声を出しちゃダメだからね?」
「んっ…気持ち良くなんて…あっ、やぁっ、変な、感じしか…」
「もっと気持ちよくなる。“セックスごっこ”はそういう遊びだよ。茜ちゃんはもっともっと気持ち良くなる」
「いやっ、授業中に、こんな遊びしちゃうなんて…ッ、なのに、私…やぁっ、いやぁっ」
「すごい、いいよ、茜ちゃんっ。キュウキュウ締まってきて…すごい、いいっ」
「いやぁっ、いやぁッッ!」
「茜ちゃん…ッ、大きな声だしちゃダメだってば…ッ、んんっ、でも、茜ちゃん、気持ちいい…!」
「私、あっ、あっ、気持ちっ…あっ…やぁっ…あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、アァっ! アァっ! アアっ!」

 もう頭の中が真っ白で何も考えられない。僕は机をガタガタ揺らし、全力で茜ちゃんの中に出し入れして、彼女の中を掻き回す。
 処女だからって容赦しない。いつも真面目な優等生だからって勘弁しない。
 僕は彼女で、すっごく気持ち良くなりたい!

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ!」

 夢中になって腰を動かす。イキそうだって思った瞬間、今日の文房具遊びや、つぐみちゃんのお尻やアソコや、茜ちゃんと3人の落書きごっことか、えっちなことで頭がいっぱいになった。
 興奮が爆発したみたいに、全身を駆け抜けてオチンチンの先から飛び出す。
 僕は茜ちゃんの中に、たっくさん射精した。彼女の一番奥に突っ込んで、たっぷりと僕のを膣出しした。

「ンンッ!? ングっ! ンンンン〜〜ッ!?」

 優等生の彼女が、(おそらく)生まれて初めてのえっちな快感にイった瞬間だった。
 とっさに僕は茜ちゃんの口を塞ぎ、大声だけは何とか阻止した。でも、茜ちゃんの反応は凄まじく、暴れるように躰を跳ねさせたあと、ぐったりと机に伏して、ビクンビクンと小刻み痙攣させて、そんで、ぐんにゃりと全身を弛緩させた。
 アソコからは、僕の出した精液と、彼女の吹き出したなんかの液で、ぐしょぐしょになっていた。すっかり忘れてたけど、蛍光ペンも半分以上埋まったままだった。
 僕は、ハァハァと息を荒げさせる。気がつくと、クラスのみんなが僕たちに注目していた。

「こら、悠太と茜ー。授業中に遊んでちゃいかんぞー」

 僕らがしていたのは、あくまでただの“遊び”だ。たとえ、授業中に同級生の処女を奪ったとしても。
 先生は軽く咎める口調で僕らを叱る。僕が「すみませーん」と頭を掻いて謝ると、クラスのみんなも「どっ」と笑い出す。
 茜ちゃんは、目の玉をひっくり返して、口をだらしなく開けて失神していた。
 つぐみちゃんも、お尻にペンを刺したまま、ぐったりしていた。

 プリンは2個とも、僕がもらった。










『なぁに、お父さん? 急に電話なんかして、何かあったの?』
「い、いやぁ、別にたいしたことないんだけどよ。仕事は? 今朝は仕事はないのか?」

 電話しちまった。すっかり舞い上がっちまった勢いで、みなみの携帯に電話してしまった。
 まったく、俺は何をしてるってんだ。

『夜勤明けで、今帰りなのー。なに? 何か用事あるんじゃないの?』
「あ、あぁ、そうか。おつかれさん。いや、まあ、なんていうか……」

 どうするつもりだったんだよ、オイ。
 ちょっと気持ち良いことできたからって、俺は自分の娘に電話して何をしようってんだよ。娘だぞ、娘。舞い上がってんじゃねぇよ。

『……ねえ、何かあったの? 私、眠いんだけど』

 会いたいんだ、お前に。
 声だけじゃなくて、顔を見せて欲しい。笑顔が見たい。彼氏なんかじゃなくて、俺のために笑って欲しい。
 そして───その体で、俺を暖めて欲しいんだ。
 俺は、いつからこんなヘンタイ野郎になったんだ。成長していく娘に、こんな想いを抱くなんて。
 あの兄ちゃんは言っていた。俺の欲望を叶えてやるって。俺にはその“才能”があるって。
 今更あの言葉がウソとは思わん。みんなで俺にドッキリかましてるとも思えない。きっと、俺はみなみを抱くこともできる。誰にも咎められることもなく、当然のように娘の体を自分のものにできる。
 そして、その機会はもう二度と訪れないんだ。

「……娘は、仕事明けには父親に挨拶に来なきゃいけないだろ。忘れたのか? “常識”だろ?」
『え、あっ…そうだった。忘れてたね、ごめん。父さんの方から電話させちゃった』
「い、いいから、すぐ来いよ。待っててやっから」
『うん。ごめんね、今から行くから』
「おう」

 ……やっちまった。
 みなみ、今から来るってよ。どうする? とりあえず茶菓子でも用意しておくか?
 いや、それより管理人室の掃除でもしておくか。汚くはないけど、みなみのやつは口うるさいとこあるからな。あと、布団も干しとくか。みなみ、夜勤明けで眠いって言ってたし。寝ていくかってことも……あるよな、たぶん。そうだ。干しておこう。まずは布団だ、布団!



「……おじゃましまーす。お父さん、いる?」
「お、おう、よく来たな! 久しぶりじゃねぇか!」

 管理人室を訪ねてきたみなみは、普段の通勤着なのかしらんが、垢抜けた格好してて、女優さんみてぇだった。
 ったく、ちょっと目を離したうちにどんどんキレイになっていきやがる。そのうちミスユニバースにでもなって、俺を表彰式に招待するつもりなんじゃないだろうな。
 いやだぜ、俺は。タキシードなんぞ似合いやしねぇんだから。

「何ニヤニヤしてんの? ていうか、久しぶりって、先月も会ったばかりじゃない」
「そうだっけか? 一日千秋の如しとはこのことだな、まったく」
「それより、お腹ぺこぺこー。夕べから何も食べてないんだ。なんかない?」
「おう、ちょうど野菜とベーコンをココット鍋でブレゼしたところだ。ちょっと摘んでみるか?」
「え、お父さん、いつのまにフランス料理覚えたの?」
「なぁに、たいしたことじゃねぇよ。ほんの趣味程度に始めてみただけだ。ついでに今日はたまたまいい鯛が手に入ったし、軽くムニエルして、レモンソースでさっぱり仕上げてやっからな」
「え、なになに? なんなのいきなり? いいよ、朝からそんなに食べれないから」
「いいって、いいって。ほんの趣味程度に作ってみるだけだからよ。興味本位で食ってくれりゃいいんだから」

 茂んとこの台所借りて、死ぬほど特訓してきた成果を見せてやる。
 みなみのやつ、驚くぞ。もう彼氏の料理自慢なんて俺の前で二度とさせねぇからな。

「ふーん、お父さんも、いつのまにか結構料理するんだ。だったら、敏明さんとも話が合うかも」

 ピキっと、俺のこめかみで何かが膨らんだ。

「敏明さんもね、休みの日とかよく私に料理作ってくれるの。言ったっけ? イタリアンとかフランス料理とかが得意なのよ。ワインにも詳しくって、こないだなんか……」

 ピキ、ピキ、と、俺のこめかみにヒビが入っていく。
 まいったなチキショウ。あんまり血圧上げっとまた医者に怒られるんだがな、オイ。

「…お父さん、めっちゃ鯛が焦げ臭いんだけど、大丈夫?」
「お、おー、全然大丈夫だよ。このまま生ゴミの袋でパピヨットしてゴミ置き場で冷製にしちまうからよ」
「え、失敗したんだ?」

 あー気分が悪い。せっかくみなみに美味いもん食わせてやろうと思ったのによ。
 何が敏明だ。エロ画像掲示板みたいな名前しやがって。何がイタリアンだ。何がワインだ。人の娘に変なモン食わせんじゃねぇ。
 みなみは俺の娘なんだよ。

「お父さん、もういいよー。この野菜の蒸し煮、おいしい。やるね、お父さん!」

 みなみは、素直で優しい子だ。それに、何の因果か俺にも嫁にもまるで似ないで、こんなべっぴんさんに育っちまった。
 男にモテるのもわかる。俺だって、みなみみたいな女を嫁に欲しい。早く年取って、ボケてみなみにプロポーズするのが俺の夢だった。
 他人なんかに、俺のみなみを渡したくないんだよ。

「ま、まあ、みなみも仕事で疲れたろ。よかったらシャワーでも浴びていけ」
「えー、いいよ。これ食べたらうち帰って浴びる。挨拶に寄っただけだし」
「家族の前では、まずシャワーで体を清めるのが“常識”だろ。さっさと入ってこい」
「あ、そうだった、ごめん。タオル借りていい?」
「おう、好きなの使え。脱衣所に洗濯してあんのがあるから」
「お父さんは? 私、先に入っていいの?」
「いいって、いいって。俺はもうシャワーも浴びたし下着も新しいのに替えたし、歯も磨いたし爪も切ったし白髪も染めたからよ」
「それじゃ、私、借りるね」
「おー」

 ……何やってんだ、俺は。
 みなみにシャワー浴びさせてどうすんだ?
 落ち着けよ。何をドギマギしてんだよ。自分の娘が俺んちのシャワー使ってるってだけで、なんでこんなに思春期の小僧みたいに緊張してんだよ。
 どうにかする気なのか? あぁん? 
 お前は自分の娘に手を出す気なのか、坂田仁平?
 それはもう、やっちゃいけない“非常識”の最たるものだろうが。
 だが、それをやるなら、これが最後のチャンスだ。みなみに電話したとき、俺はもう決心してたはずだ。
 ウジウジ考えるのはやめろ。あの兄ちゃんが悪い。俺にこんな“才能”あることを教えちまったんだから。

 みなみ……すまんな。

 脱衣所の磨りガラス越しに、シャワーを浴びるみなみが見える。
 スタイルもいいな。よく育ってくれたな。くびれた腰も、長い髪も、堂々とした尻も、すらっとした足も、お前が俺のユニバースだよ、本当に。

「み、みなみー。シャワー加減はどうだ?」
「えっ!? ちょ、ちょっとお父さん、なにッ? てか、シャワー加減てなに!?」
「父親が娘のシャワーの心配するのは“常識”だろうが。やけどとかあったらどうするんだ。熱すぎたり冷たすぎたりしないかい?」
「うん、まあ、普通に自分で調整してるから大丈夫だけど…いつまでいるの、そこに」
「だってお前、娘の体を拭いてやるのが父親の“常識”だろうが」
「あ、うん。そりゃそうだけど、そこで待ってなくても、上がったら呼ぶって」
「いいんだって。俺がここで待っていたんだからよ。お前はゆっくり浴びてな」
「でも…退屈でしょ、そんなとこにいても」
「全然だって」

 どさくさにまぎれて、体を拭く約束までしてしまった。やべぇな。ドギマギしてきちまうって。
 磨りガラスの向こうの娘の裸体に、期待しちまう。退屈なもんか。俺はAV本編が始まる前の退屈なイメージ映像ですら、早送りしないで観ていられる男なんだぜ。この中途半端な色気がたまんねぇんだ。否が応でも期待が膨らんでいく。

「それじゃ、あがるねー」

 頭にタオルをかけただけで、あっさりと、スッポンポンでみなみは出てきやがった。
 俺と同じだけの身長。でも、顔の大きさは全然違う。目だって俺みたいにしょぼくれてない。クリっと丸くて大きい。鼻だって俺みたいに潰れてなくて、すっきりと高い。唇もつやつやしてて、あごも細くて、首も肩も細い。
 すっぴんでこれかよ。
 こりゃ、とんでもねぇ逸材が眠ってやがったな。いつスクリーンデビューすんだよ。日本の映画界が揺らぐぞ、これは。
 しかもその胸、こんなに大きくなりやがって。
 いつからだよ。いつからこんな美乳になりやがったんだよ。美しいよ。桜舞い散る四万十川で見上げたあの月に匹敵する情緒と風情と美しさだよ。
 父ちゃん、もう、AV観てもつまんねぇ。お前のおっぱい見ちまったら、もう他の女のおっぱいじゃ満足できねぇよ。
 横山の奥さん? あんなのただのウシだ。脂肪に乳輪を貼っただけじゃねぇか。芸術ってのがわかってねぇよな、まったく。
 ウエストも腕も、ほっそいなぁ、お前は。ちゃんと食べてるのかい? 肉は嫌いなのかい? もう少しぐらい太っても誰も怒るやつなんていねぇよ?
 親としては見ているのが辛いくらい細いよ、お前。でもなあ、男として正直に言わせてもらうなら…みなみ、やっぱりお前が一番だ。
 そして───あぁ、わかってる。お前だってもう大人だもんな。そりゃ生えるよな。父ちゃんは別にショックなんて受けてないよ。ただ、母ちゃんに似なくてよかった。母ちゃん、ボーボーだったもんな。
 お前のは薄いな。濡れたらほとんど丸見えじゃないか。うん、可愛いお毛けじゃないか。
 腰つきも、太ももも、足首も、お前は本当にダイヤモンドだ。我が子じゃなかったらAV界で天下を獲らせていたところだ。
 みなみ、お前は完璧だ。パッケージ写真でイジるところなんて一つもないぞ。本当に、よくぞここまで成長してくれた。父ちゃんは嬉しい…!

「も〜、お父さんったら、何ボーっとしてんの? 娘の裸なんて、見てもしょうがないじゃん」

 ツンと、おでこを突かれる。みなみは上気した顔で無邪気に笑って、「早く拭いてよ」と、濡れた体を誇張するように胸を突き出す。

「い、いいのか…?」
「なんで? そのためにお父さん待っててくれたんでしょ?」
「あ…あぁ、そうだ。よし、父ちゃんがピッカピカに拭いてやるからな…」
「優しくしてねー。あんまりゴシゴシしちゃダメだよ」

 俺に体を任せて、髪を拭いてるみなみを、バスタオル越しに初めて触れる。
 柔らかい胸だった。まるで、初めて女に触れたときみたいに、俺は興奮していた。
 フヨフヨと、みなみの胸が俺の手の中で揺れる。肩も、腕も、みなみの体には感動が満ちている。ただ水滴を拭いていくというだけの作業が、なんでこんなに楽しいんだ。
 工場だ。もう一度俺の工場を作ろう。オートメーションで流れてくるみなみの体を、俺が拭くための工場を。

「くすぐったいー。もっと強くてもいいよ」
「あ、あぁ」

 バスタオルで包み込むようにして拭いてやる。細っこいから、簡単に腕が回っちまう。抱くようにして拭いてやった。
 胸も尻も、俺に拭いてもらうのに身を任せて、みなみは気持ちよさそうにしてた。
 尻が、すげぇいい。触ってるこっちまで気持ち良くなっていく。

「もういいよー。服着るから出てって」
「あ、あぁ…でも」

 俺はみなみの体に未練タラタラだった。

「風呂上がりはしばらくバスタオル一枚で過ごすのが親子の“常識”だろ。服なら、えもんかけにでもかけておけ」
「ん、ハンガーね。ちょっと借りるね」

 えもんかけを数本もって、みなみは脱衣所を出て行く。バスタオルに貼り付いた尻を追いかけて、俺もみなみについていく。

「お茶でも入れよっか」

 バスタオル一枚でキッチンに立つみなみに、見惚れてしまう。我が娘ながらイイ尻だ。
 額に入れて飾っておきたいくらいだ。マウスパッドにしたいくらいだ。

「ついでに洗い物しちゃおうかな。ねえ、テーブルの上のもの持ってきて」
「お、おう」
「ありがと」

 俺の手から皿を受け取って、ニコリとみなみは笑う。
 まるで新婚さんみてぇじゃないか。近くで見るバスタオル姿も、胸の谷間も、尻の形も、さっきスッポンポンで見せてもらったばかりなのに、こっちの格好もまたいやらしくてたまんねぇ。
 台所と言えば裸エプロンが枕言葉だが、バスタオル一丁ってのも悪くないな。
 俺は、洗い物をしているみなみの横に立つ。みなみは、俺の汚したフライパンや皿やらを慣れた手つきで洗っていく。

「んー、なに? お湯沸くまで待ってよ」
「い、いや…何でもねぇよ」

 すぐそばの、みなみの息づかい。伝わってくる風呂上がりの蒸気と匂い。すぐ裸になっちゃいそうな体。
 胸がドキドキする。こんなイイ女が、こんな近くで、こんな格好して立っている。
 自分の娘だってのに、俺の“常識”は簡単に揺らいで壊れる。

「拭くの…手伝うよ。親子で協力して家事をするのは“常識”だもんな」
「あ、うん。ありがと」
「拭くのは、お前の体だ。家事やって汗かいたら風邪を引く。娘の体調管理は父親の仕事だからな。これも“常識”だろ」
「うん、ごめんね。お父さん、拭いてくれる?」
「あぁ…当たり前だろ。親子なんだから」

 俺は、みなみの胸を後ろから鷲づかみにした。

「ん…っ! お父さん、それ、ちょっと…!」
「胸が、一番、汗をかきやすいだろッ。尻とか、アソコとかも、そうっ。だから、拭いてるだけだっ。何もおかしなことなんてない。“常識”だ!」
「ンンっ!」

 ギュッと握りしめたら、みなみは苦しそうな声を出した。
 少し緩くして、優しく揉んでやった。「んっ…んっ…」と、声を柔らかくして、みなみは皿を拭く。その体に覆い被さるようにして、俺の体を密着させる。

「お父、さん…っ。重いよ、お皿拭けない…あっ、あっ」

 胸を揉む。みなみの胸を揉む。成長した娘の体。膝の上で絵本を読ませたことがついこないだのように思えるのに、この体は、俺の知らないみなみになっていた。
 成熟した女のぬくもり。娘として愛おしい気持ちに何も変わりはないのに、俺がみなみに求めているのは、男の欲望を満たしてくれる優しさだった。

「お、お父さんてば、そんなに、グラグラしたら、お皿落としちゃう…!」

 俺は腰をみなみの尻に押しつけるようにして、体を揺すっていた。本能の動きだ。娘とのスキンシップなんてとうに通り過ぎている。拭くだの家事だの、そんな言い訳がまだるっこしくなるくらい。

「み、みなみ…! 皿なんてもういい。マッサージしてやる! 父親が仕事で疲れた娘をマッサージして気持ち良くしてやるのは“常識”だ! そこに手をついて、尻を突き出せ。その格好が“常識”的なマッサージの姿勢だ。知ってるよな!?」
「ん、うん。こ、こうだっけ? これが普通の格好だよね?」

 流しに手をついて、スケベなAV嬢がよくやるみたいに、みなみは尻を丸出しにして突き出してくる。
 そんなはしたない格好してんじゃねぇよ、みなみ。俺はお前の親父なんだぞ。俺がやらせたこととはいえ…男の前で、そんな格好なんて。

「……今から俺がするのは、“常識”的なマッサージだ。ちゃんと言うとおりにして、気持ち良くなれよ」
「うん、ありがと、お父さん…私、お父さんにマッサージして欲しかったんだぁ…」

 うっとりと微笑むみなみは、もう、男をこうやって迎えたことがあるんだと、俺にはすぐわかった。
 くやしいのと、そんなみなみに興奮してるのと、どっちの感情で娘に触れていいのか、わかりゃしない。でも、今のみなみは、俺の思ったとおりにしていいんだ。

「あぁん!」

 尻をめくって、手のひらでたっぷりさすった。もう片方の手で、胸を強く握った。
 太ももを優しく撫でて、胸の手は強めにこね続ける。みなみは、女の声を出して俺の乱暴で優しい愛撫に応える。

「気持ちいいか、みなみ? 父ちゃんのマッサージは気持ちいいか?」
「いいよぉ、お父さん! もっとして! 私、もっと気持ち良くなりたい!」
「あぁ、任せろ。そのまま良い子にしてろよ!」
「んんーッ! お父さん! お父さん!」

 アソコに回した手が、くちゅりと濡れた場所に触れる。
 大人の反応だ。みなみは男を知っている。俺じゃない誰かに男の感じ方を教わってる。
 バカヤロウ。俺の娘だぞ、お前は。
 俺は指を突っ込んだ。みなみは、背中を仰け反らせて叫ぶ。
 すごい声を出しやがる、俺のみなみは。誰に教わった。そんなみっともない感じ方、誰を喜ばせるために覚えた。
 俺は指をグチュグチュと突っ込んだまま、みなみの後ろに屈み込んで、尻を舐めた。
 ベロベロとたっぷりした尻肉を味わいながら、舌を中心に近づけていく。みなみは、太ももをピクピク痙攣させ、俺の舌から逃れようと尻を振る。
 だが残念だな。お前の親父は、娘の尻が大好物なのだ。
 舌が中心のすぼまりを捉える。みなみはビクーンと跳ねて、真っ赤な顔で俺を睨む。

「だ、だめ、お父さん、そこは汚いよ!」
「へっ、娘の体に汚いところなんてねぇよ。いいから、おとなしくしてろ」
「あぁあッ、お父さん、だめぇ! そんなとこ、だめぇ!」

 色っぽい声出しやがる。みなみも、すっかりオンナなんだな。チロチロと穴を広げるように皺を舐め回すと、ぞわっと鳥肌を立ててみなみは悲鳴を上げる。

「ああ、あああああ、お父さん! お父さん!」

 激しく指を出し入れすると、声を震わせて、膝をガクガクさせる。
 可愛いオンナだ。たまんねぇよ、みなみ。
 娘の体を、俺は夢中になって味わう。みなみの体は美味かった。本当に食べてやりたいくらいだ。
 やがて、みなみはアソコから大量の液を吹き出し、床に崩れ落ちた。イッたんだ。みなみは、俺の指でイッた。俺は自分の娘をイかせたんだ。

「…大丈夫か、みなみ?」
「ああ…あぁ、お父さん…私、ん、もうダメ…」

 ピクン、ピクンとみなみの体は小さな痙攣を続ける。上気した頬。濡れた瞳。
 ここにいるのは、発情した1人の女だった。そして俺もただの男だ。

「疲れたなら、布団を敷いてやるよ。俺と寝よう。父娘が一緒に寝るのは…“常識”だもんな」
「うん、寝る…お父さんと寝る…」

 俺はみなみをそこに横たえ、急いで布団を敷く。そして、みなみの肩を担いで布団の上に転がす。
 バスタオルははだけて、形のいい胸も白い肌も、薄く繁った股間も丸見えだった。
 まだ息の荒いみなみは、色っぽい流し目で俺を見上げている。股間が落ち着かないのか、もぞもぞと足をすりあわせている。
 全裸の娘を見下ろし、俺のオトコも激しくいきり立っていた。俺の娘が、俺の愛撫に落とされ、俺を求めている。禁断の行為をその体に求めている。
 俺の娘が───。

「……寝ようか、みなみ。父娘が一緒に寝るときは、男と女になって愛し合う。それが“常識”だよな?」
「うん…常識だよ、そんなこと…」
「俺はお前を愛してる。父親だけど、愛してるから、思いっきり娘のお前を抱く。いいんだよな? それが“常識”なんだよな、みなみ?」
「そうだよ…常識だよ…だから、早く来て…お父さん…」

 みなみが、俺に両手を広げる。
 俺は世界で一番愛しいオンナの胸に向かって飛び込んだ。
 空中で、服を全部脱ぎ捨てて。

 
 
< つづく >


 

 

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