さきに自宅軟禁が解除されたミャンマー・民主化運動のリーダー、アウン・サン・スー・チーさんは、自身が率いていた政党を軍事政権が一方的に解散としたことは認められないとして裁判所を訪れて、この決定の取り消しを求めました。
ミャンマーの軍事政権は、アウン・サン・スー・チーさんが率いていた政党、NLD・国民民主連盟が総選挙へのボイコットを決めたことから、ことし9月、NLDに一方的に解党を命じました。先週、7年半ぶりに自宅軟禁が解除されたスー・チーさんは16日、ヤンゴンにある裁判所を訪れ、軍事政権による措置は認められないとして、この決定を取り消すよう求めました。スー・チーさんの自宅軟禁解除のあと、軍事政権は、スー・チーさんの自由な政治活動も可能だとしていますが、NLDを舞台とした活動は非合法と見なし、スー・チーさんの活動を封じ込めるねらいがあるのではないかという見方が出ています。スー・チーさんとしては、問題を法廷の場で訴えることで自身の政治活動の正当性を主張するねらいがあるものとみられます。一方で、スー・チーさんは、裁判所を訪れた際、集まった人たちに「詳しいことは弁護士に聞いてください」とだけ述べ、軍事政権を刺激する事態は避けようという配慮もうかがわせています。