捜査終了待たずに海上保安官を懲戒処分へ
産経新聞 11月17日(水)1時41分配信
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弁護士(右)とともに報道陣の前に姿を見せ、頭を下げる海上保安官=16日未明、神戸市中央区(甘利慈撮影)(写真:産経新聞) |
[フォト]「業務に役立つと」当初は投稿の意図なし
国家公務員である海保職員の処分は国家公務員法に基づき分かれ、内部処分に当たる「厳重注意」「訓告」より重い懲戒処分は「戒告」「減給」「停職」「免職」の順で重くなる。
今回の保安官の場合、(1)ウイルスの感染などの可能性があり使用が禁じられている私用のUSBメモリーで海保の公用パソコンから映像を取り出した(2)内部資料である映像をインターネット上に流出させた−という2点が内規違反に当たり、戒告以上の懲戒処分が出ることは確実。
現在は保安官の人事権を持つ第5管区海上保安本部(神戸市)が本庁と協議中で、不起訴処分となるか略式起訴されるかなど、捜査当局の決断を待たずに処分内容を確定させる見込み。
ただ、海上保安大学校(広島県呉市)では一時期、映像が誰でも閲覧可能な状態に置かれていた。保安官が映像の投稿を告白する前に、5管本部が職員に対して行った視聴の有無を確認する内部調査では、保安官が乗船していた巡視艇「うらなみ」の同僚3人が「映像を見た」と名乗り出ていたことが新たに判明した。
うらなみ乗組員以外にも「見た」と答えた職員がいたといい、「誰でもアクセスできた情報を流出させたことが免職に当たるケースかどうかは微妙」(海保関係者)という。
■「私利私欲に基づくものではありません」
海上保安官は16日未明、聴取を受けていた神戸海保などが入る合同庁舎を出る際、弁護士を通じてコメントを公表した。流出させた理由を「政治的主張や私利私欲に基づくものではありません。一人でも多くの人に遠く離れた日本の海で起こっている出来事を見てもらい、一人一人が考え判断し、行動してほしかっただけです」と説明。「今回の行動が正しいと信じておりますが、反面、公務員のルールとしては許されないものであったと反省もしております」などとしている。
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最終更新:11月17日(水)2時23分
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