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【三重】

地デジ 一時映らず 県中部の伊勢湾沿岸で今夏

2010年11月16日

 県中部の伊勢湾沿岸地域で今年5月から9月にかけ、地上デジタル放送の画面が一部の家庭のテレビで一時的に映らなくなる現象が起きていたことが分かった。夏場の気象条件により、テレビの電波が伊勢湾上を通る間に弱まる電波障害が原因といい、猛暑も影響したとみられる。

 総務省三重県テレビ受信者支援センター(津市、愛称・デジサポ三重)によると、気象条件などによって電波の強さが変動する「フェージング現象」と呼ばれる電波障害で、津市や松阪市では5〜9月の昼から夕方にかけて発生した。

 中には1時間ほど受信できなくなる例もあり、デジサポ三重には今夏、1カ月に20件の問い合わせがあった。障害は一戸建て住宅だけでなく、周囲に遮る物がない高層マンションでも発生。いずれもアンテナを愛知県瀬戸市のデジタルタワー方向に向け、電波を受信していた。

 フェージング現象が発生した詳しい原因は不明だが、電波が海上を長距離通過する間に起きるとみられ、デジサポ三重は「海が暖められることで、瀬戸からの電波の向きが若干、変わり、津市沿岸部に届く電波が弱くなっている可能性がある」と分析。映像がはっきり映るためには、電波の強さが50〜60デシベル程度必要だが、この現象によって40デシベル台半ばになってしまい、映らなくなるという。

 一方、津市周辺にはNHKや民放の電波を出す地デジ用中継施設がある。それにアンテナを向ければフェージング現象は回避できるが、テレビ愛知(名古屋市)の放送が見られなくなる。料金はかかるがケーブルテレビに加入すれば、電波障害の起きる可能性は少ないという。

 デジサポ三重の宇佐美忠男センター長は「フェージング現象自体を解消することは難しい。視聴者の相談に応じ、適切な受信方法を説明したい」と話している。

 (渡辺泰之)

 

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