泳げぬ友人の背中押す…携帯に動画　昨夏の２人水死、同級生２人を家裁に書類送致　９日に過失致死容疑　警視庁

　東京都大田区の多摩川で平成２１年、男子高校生２人が水死した事故で、２人の背中を押して川に落とした疑いが強まったとして、警視庁少年事件課と池上署は８日、過失致死の非行内容で、当時現場にいた同級生の男子生徒と女子生徒を９日に東京家裁に書類送致する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

　同課は傷害致死容疑での立件も検討していたが、男子生徒らが２人が死亡する可能性を予想して背中を押したとまでいえなかったと判断、過失致死容疑を問うことにしたとみられる。

　死亡したのは、いずれも当時日体荏原高１年で１６歳の村沢卓也さん＝川崎市＝と内山雅大さん＝東京都町田市。

　非行内容は、２１年７月１９日、部活動終了後にサッカー部の友人ら計８人で川を訪れて遊んでいた際、それぞれが川岸から内山さんと村沢さんの背中を押して川に落とし、おぼれ死なせたとしている。

　捜査関係者によると、村沢さんの背中を押した同級生は「泳げないことを理由に川に入るのをためらっていたので背中を押した。死ぬとは思わなかった」と話しているという。

　警視庁は当初、同級生らが「川に飛び込んだ村沢君がおぼれ、助けようとした内山君もおぼれた」などと話していたことから、川遊び中に起こった水難事故とみていた。しかしその後、内山さんと村沢さんが同級生２人に背中を押され、川に落下した姿が映っている携帯電話の動画を別の同級生が持っていたことが分かり、同庁少年事件課が事件として捜査を進めていた。