事件・事故・裁判

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東京・多摩川の高校生2人水死:同級生を保護観察に 東京家裁「謝罪の気持ちある」

 東京都大田区の多摩川で09年、都内の私立高校1年の男子生徒2人が水死した事故で、東京家裁は19日、うち1人に対する過失致死の非行内容で書類送致された同級生の少女(16)を保護観察処分とする決定を出した。川口洋平裁判官は同日の少年審判で「矯正教育の必要性は認められない」と理由を述べた。

 決定によると、少女は09年7月19日、多摩川護岸で村沢卓也君(当時16歳)の背中を押して川に転落させ水死させた。川口裁判官は「川が深く被害者がおぼれることは予想できた」と非行内容の成立を認めたうえで「おぼれた後に助けようとした。後悔し謝罪の気持ちもある」と保護観察が相当と結論づけた。

 保護観察は、非行少年などを社会内で生活させながら更生を図る制度。保護司らが定期的に面接するなどして指導監督する。

 事故では村沢君と内山雅大君(当時16歳)が水死。内山君に関しては同級生の少年が過失致死の非行内容で家裁に書類送致されている。2人が背中を押されて川に落ちる様子を映した携帯電話の動画データを、村沢君の父が入手したことがきっかけになり、警視庁が家裁送致した。

 村沢君の父は毎日新聞の取材に「事件と認定され、(刑事裁判の無罪に当たる)不処分にならなかったのは救いだが、泳げない卓也を川に落として命を奪ったのに保護観察はあまりに軽い。納得がいかない」と語気を強めた。少女側への民事訴訟を検討しているといい、「卓也には『まだあきらめない』と伝えたい」と語った。【伊藤直孝、町田徳丈】

毎日新聞 2010年10月20日 東京朝刊

 
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