事件・事故・裁判

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東京・多摩川の高校生2人水死:同級生の少年、不処分 家裁「死亡と因果関係なし」

 東京都大田区の多摩川で09年、都内の私立高校1年の男子生徒2人が水死した事故で、東京家裁は5日、うち1人の背中を押したとして過失致死の非行内容で書類送致された同級生の少年に対し、刑事裁判の無罪に当たる不処分の決定を出した。福嶋一訓(かずのり)裁判官は少年審判で「突き落としと死亡との間に因果関係が認められない」と述べた。

 決定などによると、昨年7月19日、多摩川護岸でサッカー部の同級生ら6人と遊んでいた内山雅大君(当時16歳)と村沢卓也君(同)が川に転落、水死した。

 福嶋裁判官は、少年が内山君を突き落としたと認定したが、「内山君は川に転落した後に自力で浮いており、おぼれた様子はなかった」と指摘。その後、同級生の少女に背中を押されて転落した村沢君がおぼれたことから「村沢君を助けようとしたことなど想定外の事情が内山君の水死に大きな影響を与えた」と結論付けた。

 家裁の不処分決定に対しては、被害者などの関係者が異議を申し立てることはできず、少年に処分を科さないことが確定した。

 家裁は10月、少女については過失致死の成立を認め、保護観察処分とする決定を出していた。【伊藤直孝】

毎日新聞 2010年11月6日 東京朝刊

 
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